研究概要 |
最近、益々話題の中心となっている知能工学の成果をロボット技術に取り込もうというのが本研究の目的のひとつであるが、今年度は下記のような成果を得た。 (1) 4足歩行ロボットの知能歩行の実現……4足歩行ロボット(12自由度,24個のセンサ、12個のアクチュエータを装備)は昨年度までに完成していたが、これの動的知能歩行を行わせて成功した。 昨年度は、前足と後足を同時に(左あるいは右について)振り出す平行動歩行を行わせたが、若干不自然であり、これを改良する必要があった。今年度は、まず、対角線上の足(例えば、左前足と右後足)を同時に振り上す対角効歩行を試みた。この場合は、2本の足を縮めることによって床から浮かせるのであるが、着地している対角線上の2足の足が含まれる平面はほとんど静止した位置を保つことができる。何故ならば、2本の足を浮かせることにより生ずる反力、反トルクは平面に対してつりあうからである。又、歩行面に段差がある場合にも歩行は成功した。この場合、段差はTVカメラでとらえ、それに対する歩容の決定はPROLOGで書かれたプログラムが行なった。 (2) 制御用ソフトウェアシステムの完備……上記のように、歩容決定などの知能操作はPRILOGによって書かれた。一方、運動制御のソフトはPascalによって書かれた。これら二つのソフトは異なるコンピュータの上で動作する。それらはAPOLLO/DomainとVME10である。これらのコンピュータ間での通信を行えるようなソフトウェアシステムを作り上げることによって、知能活動を運動制御とを結びつけることができた。このソフトウェアシステムはこれからの研究に大いに役立つと思われる。
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