研究課題/領域番号 |
59420046
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
奥田 孝美 名大, 工学部, 教授 (30022990)
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研究分担者 |
岸 くめよ 名古屋大学, 工学部, 助手 (20023129)
高村 秀一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40023254)
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40005517)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | プラズマ・壁相互作用 / アーク / レーザブローオフ / 放電洗浄 / シース / カーボン / コーティング / リサイクリング |
研究概要 |
プラズマと固体表面との相互作用の物理・化学過程を、核融合およびプラズマ・プロセスの立場から基礎的に研究し、その成果をもとにプラズマ・壁相互作用を制御する方法を見出す研究を行った。 まず、不純物の発生機構を高周波加熱に関連して捉え、高周波電場は周波数の高低によりプラズマ誘起アークを抑制したり助長したりする事、高周波加熱による高速電子の発生がシース電位を深くしてスパッタ量を増大させる事を示した。また、不純物を制御して注入するレーザブローオフ法については、ブローオフ粒子の構成を明らかにすると共に、ブローオフ粒子と放電プラズマとの相互作用についても新しい知見を得た。 一方、プラズマ・壁相互作用を利用する放電洗浄法について研究し、希ガス放電と水素放電の比較から物理過程と化学過程の相違を明らかにし、不純物ガスの振舞いを調べて酸素を利用する新しい効率的洗浄法を提案した。 新しい不純物対策として注目されているカーボンコーティング法について、コーティング条件と膜質との関係を系統的に研究した。そしてカーボン膜の水素含有量を減らすには、壁の温度を上げる事、イオン衝撃を増す事、メタンよりもアセチレンの方が良い事などを明らかにした。更に一歩進んだ新しい低Z材料としてボロンに着眼し、そのin-situコーティングが可能である事を示し、ボロン薄膜の特性や利点を明らかにした。また、カーボンやボロンでコーティングされた壁の水素リサイクリングを調べ、ヘリウム放電によるリサイクリング制御の可能性を示した。最後に、プラズマ・プロセシングへの応用として、アモルファスシリコン薄膜の形成機構を研究し、粒子束制御法を考案して水素の役割を初めて実証した。これら一連の研究から、プラズマ・壁相互作用の機構や制御におけるシースの役割の重要性が明らかになった。
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