研究課題/領域番号 |
59430020
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 明 北海道大学, 農学部, 教授 (30001374)
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研究分担者 |
山口 淳一 北海道大学, 農学部, 助手 (80001478)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 助教授 (40001440)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | アルミニウム耐性 / アルミニウム排除能 / 根の伸長阻害 / アルミニウムイオン / 硫酸アルミニウムイオン / ヘマトキシリン染色法 |
研究概要 |
1.Alによる作物の生育阻害は、まず根部生育の阻害として現われ、その阻害作用は根の発生に対してより、伸長に対して著しい。 2.根のAl耐性には大きな作物種間差が存在し、イネで強く、エンバクでそれに次ぎ、ダイズ・インゲンで弱く、オオムギで著しく弱い。 3.Alによる根の伸長阻害と地上部生育阻害とは対応する。 4.Al耐性が強い作物では、根の組織および細胞のAl耐性が強く、そのために強いAl排除能を発現して、Alが根細胞内に侵入しないよう防御している。一方、Al耐性が弱い作物では、根の組織および細胞のAl耐性が弱く、Alによって細胞壁の肥厚・奇型化・細胞膜の変質・崩壊がもたらされ、そのためにAl排除能を発現出来ず、根組織および細胞内へのAlの侵入を許すことになる。これがAlによる根の伸長阻害に作物種間差が存在する原因である。 5.Alによる作物の生育阻害作用は、Ca欠乏を誘発するために起るものではなく、Al独自の阻害作用によるものである。 6.コムギ品種のAl耐性にもかなり大きな品種間差が存在する。Al耐性に品種間差が存在する原因は、少なくとも耐性の強いエンバク、弱いオオムギとの種間比較の範囲では、作物種間差をもたらす上記原因と同一である。コムギで、Al耐性に品種間差が存在することは、品種改良によって、Al耐性の強化が可能なことを示している。 7.ヘマトキシリン染色を用いたAl耐性の幼植物検定法は、耐性品種の育成において有力な手法である。 8.【Al^(3+)】や【AlOH^(2+)】と比較して【ALSO-4^+】の毒性は著しく弱い。したがって、酸性土壌の改良法として【CaSO_4】の施与が有効であり、硫酸根肥料の施肥も肥培管理法として有効である。
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