研究課題/領域番号 |
59430021
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
水谷 純也 北海道大学, 農学部, 教授 (50014923)
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研究分担者 |
田原 哲士 北海道大学, 農学部, 助教授 (50001475)
葛西 隆則 北海道大学, 農学部, 助教授 (80001444)
坂村 貞雄 北海道大学, 農学部, 教授 (10001372)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | バイオラショナル・ペスト・コントロール / 植物生育阻害物質 / 抗菌物質 / 5員環テルペン / γ-グルタミルペプチド / カナバニン / イソフラボン類 / ファイトアレキシン |
研究概要 |
バイオラショナル・ペスト・コントロールのための基礎研究として、得られた成果の概要は次の通りである。 1.キレハイヌガラシ(アブラナ科雑草)に含まれる芥子油、ヒルスチンに強い植物生育阻害活性を見出し、29種の関連化合物について構造・活性相関を調べ、除草剤開発のためのリード化合物になり得ることを示した。また、サルオガセ属植物(地衣類)から植物生育阻害物質として、3種のフェノール酸および6種のデプシドを単離・同定した。 2.チモシーがまの穂病罹病部位を材料として抗菌物質の検索を進め、新規化合物の5員環テルペン6種、炭素数18の新規酸化型不飽和脂肪酸とこれより低分子の酸化型脂肪酸類の幾つかを単離・同定するとともに、抗菌活性および宿主植物に対する発芽・生育阻害活性を確かめた。さらにがまの穂病罹病チモシーが、もう一つの病害、斑点病に対して示す抵抗性の発現について、上記抗菌物質との係わりから考察した。また罹病チモシーの出穂不能についても示唆を与えた。 3.ラッキョウ(ユリ科ネギ属)鱗茎から8種のγ-グルタミルペプチドを単離・同定した。またアルファルファ(マメ科)種子の発芽中のカナバニンの挙動を調べ、これまでの報告と異なり発芽中にやや増加することを見出した。上記化合物の殺中性および抗菌性について調べたが、高い活性を示すものは認められなかった。 4.ルーピン類(マメ科)から多種の新規複合イソフラボン,クマロノクロモン,5-【O!-】-メチルイソフラボン類を単離・同定した。またマメ科植物2種から、ファイトアレキシンとして新化合物1種を含む数種のプテロカルパン骨格を有する化合物、3-ヒドロキシフラバノン型の4種の新規化合物を単離、構造を決定した。さらに抗菌性プレニルイソフラボンのカビによる代謝を調べ、植物の備えている化学的防衛機構の病原微生物による打破(解毒)の様式に関する知見を得た。
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