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1985 年度 実績報告書

水産動物精液の凍結保存とその利用

研究課題

研究課題/領域番号 59440015
研究機関東京大学

研究代表者

平野 礼次郎  東京大学, 農, 教授 (20011819)

キーワード精液 / 魚類 / 凍結保存 / マダイ / チダイ / ニジマス / コイ / 精子運動
研究概要

(1).広い範囲で凍結速度の調節が可能で簡便な凍結法として、液体窒素蒸気凍結法について検討した。精液の容器には牛精液保存用(0.5ml容)ストロー管を用いた。その結果、液体窒素表面からストロー管までの距離を1から8cmの間で変化させることにより、毎分20℃から150℃の範囲で凍結速度の調整が可能であった。
(2).精液の活性を客観的に評価する方法として、暗視野照明下でのストロボ撮影法について検討を行なった。その結果、コイ・ニジマスなどのように解凍直後にすでに精子の運動が開始されており、また運動時間も短い精液では、この方法は適応できなかった。しかし解凍直後に精子が運動を開始していないチダイ精液にはきわめて有効な評価法であり、精子の運動速度、運動時間、運動している精子の割合等を正確に評価することが可能であった。
(3).液体窒素蒸気凍結法を用いて・コイ・ニジマス・アマゴ・チダイの精液について至適凍結速度を求めたところ、コイ精液では毎分20℃以下の比較的緩慢な凍結速度が、ニジマス精液については毎分80℃前後の凍結速度がそれぞれ最適であるものと推測された。4ダイ精液ではいずれの凍結速度でも解凍後に高い活性を示す精液が得られ、至適凍結速度域がきわめて広いものと思われた。なおアマゴ精液についての実験では、受精試験の結果に変動が多く明瞭な結論は得られなかった。以上のことにより至適凍結速度は魚種により異なり、今後精液の凍結保存を現場的に応用するためには、魚種個々について至適凍結速度の検討を行ないそれらのデータを集積することが必要と思われた。
(4).チダイ凍結精液を用いてマダイとのかけあわせを試みた。チダイ精液を媒精した卵の受精率は、新鮮なタイ精液を媒精した卵の受精率と変わらなかった。また孵化仔魚の成長はマダイに比べて劣るものの、純粋なチダイよりも良好であり、体色がきわめて良好であることから有望な養殖対象種となるものと思われた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Proceedings of First Asian Fisheries Forum. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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