研究課題/領域番号 |
59440015
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 礼次郎 東大, 農学部, 教授 (20011819)
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研究分担者 |
黒倉 寿 広島大学, 生物生産学部, 講師 (50134507)
福代 康夫 東京大学, 農学部, 助手 (10165318)
二村 義八朗 東京大学, 農学部, 助教授 (60011897)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 水産動物精液 / 精液凍結保存 / ニシキゴイ / ニジマス / マダイ / ウニ / マガイ / ジメチルスルホキサイド |
研究概要 |
1.ニシキゴイ精液の長期保存の可能性について検討すると共に、長期保存精液を用いて媒精した卵から孵化した仔魚の健全性についても検討を行った。3年間にわたる凍結保存期間中に精液の授精能力の低下は認められず、保存精液を媒精した卵から孵化した仔魚と、新鮮精液を媒精した卵から孵化した仔魚との間に、奇形率・成長などの相違は認められなかった。 2.ニジマス・アマゴ精液を材料として、ペレット法による凍結精液とストロー法による凍結精液とについて、種苗生産の現場へ応用した場合の優劣を比較した。その結果、受精率および結果の再現性という点でペレット法が種苗生産の現場に応用しやすい、実際的方法であることが明らかになった。 3.103日間凍結保存したチダイ精液をマダイ卵に媒精し、得られた稚魚を飼育してその成長・形態を調べた。その結果、この雑種第一代の胚発生は正常であり、仔魚の成長はマダイに比べれば劣るものの、体色が鮮やかで、商品価値としてはマダイを上回るもののと予想された。 4.ウニ精液の凍結保存条件、特に凍結速度について検討した。ウニ精子は、毎分4℃以下の冷却速度では先体に異常を生じて授精能力が低下し、毎分10℃以上の冷却速度では頭部に損傷を受け生残率が低下することが明らかになった。凍結精液の授精能力は新鮮精液の1/10ないし1/100程度と推定された。 5.マガキ精液の凍結保存条件、特に凍結用媒液の組成について検討した。その結果、凍結保護物質としてDMSO(ジメチルスルホキサイド)を含む2/3海水を媒液として用い、平衡時間を3分間とすることによって、凍結保存の授精能力が高く保たれることが明らかにされた。凍結保存精液の授精能力は、新鮮精液の授精能力の1/100ないし1/1,000と推定されたが、この授精能力の低さは媒精量を増やすことによって補えることも明らかになった。
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