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1985 年度 実績報告書

先天性有機酸代謝異常症の病態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 59440045
研究機関東北大学

研究代表者

多田 啓也  東北大学, 医, 教授 (20046907)

キーワード有機酸代謝異常症 / 3-メチルグルタコン酸尿症 / 3-メチルグルタコニルCoAヒドラターゼ
研究概要

3-メチルグルタコン酸尿病の病因について検討した。本症は最近報告されたロイシン代謝異常症である。尿中に大量の3-メチルグルタコン酸や3-メチルグルタール酸を排泄するのを特徴としている。かかる有機酸の排泄パターンから、3-メチルグルタコニルCoAヒドラターゼの欠損が推定されるが現在までその証明はなされていない。今回、3-メチルグルタコニルCoAヒドラターゼ活性の測定法を開発し、患者由来線維芽細胞でこの酵素が欠損していることを明らかにした。〔1〕.3-メチルグルタコニルCoAヒドラターゼの測定法;〔5-【^(14)C】〕メチルグルタコニルCoAを基質とし、生成した【^(14)C】-ヒドロキシメチルグルタリルCoAと3-ヒドロキシ酪酸を高速液体クロマトグラフィーで分離測定した。基質の【^(14)C】-メチルグルタコニルCoAは牛腎から精製したメチルクロトニルCoAカルボキシラーゼを用いて酵素学的に合成した。 〔2〕 結果:超音波砕線維芽細胞での酵素活性は少なくとも蛋白質150μgまで直線性が認められ、又反応時間は90分まで直線性が認められた。酵素の動力学的特性をコントロール線維芽細胞の3株で検討したところ、3-メチルグルタリールCoAに対するKmは平均6.3μmol/lであり、Vmax値は357〜386pmol/min-mg prot、であった。酵素の至適PHは7.0であった。以上の結果をもとに標準測定法として、30℃で30分イニキュベージョン、基質濃度0.05Mを用いた。5例のコントロール線維芽細胞及び3例の患者細胞の酵素活性の結果はコントロールの平均が311pmol/min-mg prot、で、患者の2例は6.7及び10.5pmol/min-mg prot、で著明な低下をみた。一方、他の1例は正常活性でKm値も正常であり、一次性障害がる酵素以外にあることを示唆した。以上の結果は本症がheterogeneousな疾患であり、酵素学的診断が重要であることを示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.ヒドラタゼJ.Clin.Invest.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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