研究課題/領域番号 |
59440048
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
藤井 良知 帝京大, 医学部, 教授 (30082085)
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研究分担者 |
伊藤 尹敦 帝京大学, 医学部, 講師 (10151515)
吉野 和也 帝京大学, 医学部, 講師 (70091064)
阿部 敏明 帝京大学, 医学部, 助教授 (40101117)
木田 盈四郎 帝京女子短期大学, 教授 (50082160)
篠崎 立彦 帝京大学, 法学部, 教授 (10101718)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 新生児 / 乳児 / 細菌性感染症 / ウイルス性感染症 / 免疫学 / 診断 / 治療 / 予防 / 致命率 |
研究概要 |
将来の日本の生産人口を確保するには小児、殊に新生児、未熟児、乳児感染症の完全制御を目標にして未解決感染症の発症機構を解明し感染症対策を樹立することが最も効率的であると考えた。従って小児細菌・ウイルス感染症学、化学療法剤のみならず免疫学、新生児学、悪性腫瘍学、骨髄移植、脳神経学、生化学、人類遺伝学等教室内専門家の総力をあげ3年間を費して総合的に研究を行った。基礎となるべき感染症の現状については小児敗血症、細菌性髄膜炎の全国実態調査を行い病因,疫学、化学療法の諸点より将来の改善への指針を得た。ウイルス疾患ではロタウイルス感染症について診断法の検討を行い施設又は入院患児における流行を年次的に明らかにし、亜型別に流行を分析し本症対策の基礎資料を得た。RSウイルスはじめ呼吸器ウイルス感染症については重複された細菌二次感染の現状と意義を明らかになし得た。ウイルス性脳炎、同髄膜炎については全国調査を行った。発症因子については遺伝学的又は発達免疫学の見地から分析を行い未熟児の免疫機構面では影響が乳児期まで残存することを見出した。感染症発現機序としては小児下痢症、ウイルス性脳炎について行われ新知見を得た。病態研究ではヒトマクロファージ産生IL-1活性の研究からsub typeが明らかにされた。その他ロタウイルス、腸管アデノウイルスの分子疫学的研究、起炎菌について問題の多い呼吸器感染症の病原の決定にnasal wash法の導入による改善をはじめ検査、診断面にも多くの新知見を得た。研究は専門分野で多岐に亘りすべてを記述できないが小児重症感染症並びに重症ではないが極めて頻度の高い急性気道疾患並びに下痢症について感染発生因子を分析し、発症機序に触れ院内感染に占める意義を明らかにし病態を分析し診断技術の改良、精度の向上を行い得た。治療面でも単剤療法の意義を明らかにし新たに併用理論を示した。尚将来進むべき方向と問題点も示した。
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