研究課題/領域番号 |
59440050
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯尾 正宏 東京大学, 医学部(病), 教授 (80143486)
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研究分担者 |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部(病), 講師 (20101090)
大嶽 達 東京大学, 医学部(病), 助手 (80152164)
吉川 宏起 東京大学, 医学部(病), 講師 (40114714)
西川 潤一 東京大学, 医学部(病), 助教授 (00010322)
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キーワード | 虚血性心疾患 / MRI / SPECT / GdーDTPA / Gd標識抗ミオシン抗体 |
研究概要 |
SPECTに関しては、〓IN標識モノクローナル抗ミオシン抗体の心筋梗塞巣への集積につき、実験的心筋梗塞巣で検討を加えた。抗ミオシン抗体は梗塞巣作成後3週間でも梗塞巣に集積することが明らかとなり、その集積の範囲は摘出心で測定した梗塞巣の範囲と一致することが判明した。 NMRに関しては、超電導MR装置を使用して心筋梗塞症例のMRIについて検討を加えた。MRIにより新鮮な梗塞巣と陳旧性梗塞巣の鑑別が可能との結果が得られた。MRIにより更に心筋性状の判定の可能性を検討するためMRI用造影剤の実験的心筋梗塞巣への効果につき実験した。 造影剤としては、血流依存性のGdーDTPAは、不適当であることが判明し、SPECTで検討している抗ミオシン抗体にGadoliniumを標識したものが組織親和性があるため有効と思われこの造影剤につき検討した。昨年度は、Gdと抗体量との最適な量的関係を検討し、MR装置で画像化はできなかったがミニスペックで測定した組織のT_1、T_2値で標識抗ミオシン抗体が梗塞巣に集積していることを確認した。本年度は、MRIにより画像でも標識抗ミオシン抗体が心筋梗塞巣に集積することを確認した。当初、MRIの撮影は、核医学検査で行っている静注後24時間で行ったが、静注直後からの検討により静注後2〜3時間の短時間でも画像化できる可能性が示された。すなわち、核医学的手法では心筋梗塞巣に集積した薬剤からの放射能と血液、肝などの関心組織以外からの放射能とは区別できず、撮影まで長時間必要であるが、MRIでは血流からのエコー信号がないため、関心組織以外の影響が少ないからと考えられる。以上のごとく、抗ミオシン抗体は現在使用されている薬剤よりも有効であり、MRIでは、より短時間で診断可能であるとの結果が得られた。今後の標識抗ミオシン抗体の臨床応用に向け検討している段階である。
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