研究概要 |
【I】臨床的検討:入院患者における軽度の低Ca血症、中等度の底P血症の原因が25【D_3】欠乏によることを明らかにしつつあるが、本年度はさらに症例数をふやして検討中である。担がん患者における高Ca血症の成因について、特にATLを中心に検討を行っているが、ATLの症例では血中1.25【(OH)_2】【D_3】がほぼ全例で低く、ncAMPは高いことを見い出している。【II】基礎的検討:【◯!1】ラット腎を用いたin vivo実験:VitD欠乏状態ではPTHによるCa再吸収促進作用が発現しにくいこと、及びVitD自身にCa再吸収促進作用があることを、さらに詳細に検討を加え明らかにしつつある。【◯!2】腎isolated tunilcdに関する研究:ヘンレ上行脚ではCaイオンによりcAMP生成が抑制されることを昨年度明らかにしたが、本年度はこの抑制がヘンレ上行脚に特有であることを明らかにした(Am.J.phrpiolin press)。【◯!3】UMR106細胞における研究:PTHによりUMR106細胞のphosphatidyl serineが増加することを明らかにした(J.Biol.Chem.1985)。【◯!4】PTH geneに関する研究:【GH_4】Cl細胞にくみ込んだPTH geneがPRL geneとは逆に細胞内Ca上昇により抑制され、細胞内Ca低下により刺激されることを明らかにした(Mol.Cell.Biol.in press)。【◯!5】電気生理学的検討:腎JTC-12細胞において細胞内Ca上昇により過分極反応がおこることを昨年度見い出したが、本年度は細胞内Ca,EGTA注入によりさらに詳細な検討を加えた(Pfl【u!¨】gers Archiv,1985)。【◯!6】25(OH)【D_3】24水酸化酵素:腎JTC-12細胞において、25(OH)【D_3】24水酸化酵素が、1.25【(OH)_2】【D_3】により調節されていることを見い出した(Biochim Biophys Acta,1985)。設備備品としての電子レンジ,恒温水槽,ドライグロックバスは分子生物実験に用いている。研究計画が進むにつれ、扱う培養細胞も多様化したため、細胞保存用の液体窒素ボンベを購入した。X-Yレコーダー,トランジェントメモリーは電気生理実験における速い反応の解析に用いている。また直流電源は電気生理実験用のサンプルを37℃に保つために用いている。
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