【◯!1】マウス由来抗膵癌単クローン抗体F30とヌードマウス移植膵癌との反応特性を【^(125)I】ラベル単クローン抗体をマウスに注入し検討した。腫瘍組織内に【^(125)I】の集積が認められたが、肝脾も集積し十分特異的とはいえなかった。 【◯!2】人膵癌細胞PK-1とマウスL細胞との融合細胞E-7を作成した。このE-7は抗膵癌単クローン抗体F30と反応し、人およびマウス型の染色体・ヌードマウスでの造腫瘍性を有する。さらにE-7を用いてマウス由来の単クローン抗体を作成したが、その反応特性はF30と類似していた。 【◯!3】人膵癌培養細胞株は10種、ヌードマウス移植膵癌は15種に達した。これらにつきin vitroおよびin vivoでの抗癌剤ならびに温度感受性試験を行った、検討した多くの抗癌剤で感受性がみられ、5-Fuは臨床上到達可能な低濃度でも長時間接触させることによりMMCは高濃度で接触させることにより十分な殺細胞効果が得られた。またMMCとACR(アクラシノン)の併用により高い相剰効果が得られた。さらに膵癌細胞は熱低抗性で殺細胞には42.5℃以上の加温が必要であった。 【◯!4】ヌードマウスの問脈から人膵癌培養細胞を注入し肝転移の作成を試みているが、まだ肝転移モデルは得られていない。 【◯!5】術中に採取した膵癌の所属リンパ節のEB vivusトランスフォームB細胞の産生する抗体の反応特性を約600Wellについて検索した。螢光抗体法による検討では膵癌培養細胞と反応するWellは得られていない。一方、術中に採取した自己膵癌組織およびヌードマウス移植膵癌との反応性を酵素抗体法により検討し、弱い反応を有するWellが得られた。 【◯!6】膵癌切除標本の還流液中細胞診において膵癌細胞が多数認められ、術中からすでに肝転移の可能性のあることが示唆された。
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