• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1985 年度 実績報告書

歯周疾患患者における免疫応答の解析(歯周病巣における活性化リンパ球機能について)

研究課題

研究課題/領域番号 59440080
研究機関大阪大学

研究代表者

岡田 宏  大阪大学, 歯, 教授 (40038865)

キーワード成人型歯周炎患者 / 自己リンパ球混合培養 / Tリンパ球の増殖 / 口腔内細菌 / 多クローン性B細胞活性化 / T細胞依存性IgG産生
研究概要

1)重度な成人型歯周炎患者においては、末梢血リンパ球を無刺激のまま7日間培養すると健常者の場合に比べTリンパ球のIa抗原の発現頻度が低く、Tリンパ球の自己認識系が健常者とは異なることが明らかとなった。そこで、自己リンパ球混合培養反応(AMLR)を行いTリンパ球の増殖反応を患者及び健常者で検討した結果、健常者では自己の非Tリンパ球を認識したTリンパ球の増殖が認められるが歯周炎患者では、検討した患者の約半数においてTリンパ球の増殖が低下、ないしは認められなかった。この結果は歯周炎患者の末梢血リンパ球中のTリンパ球、あるいは非Tリンパ球に、健常者と比較して機能的な差異の存在する可能性を示唆するものである。
2)歯周炎病巣に特徴的な病像であるIgG産生形質細胞の著しい浸潤増殖をもたらす一因として、口腔内細菌に起因する多クローン性B細胞活性化(PBA)の関与が考えられている。我々はこれまでに、その病像の成立機序にin vivoである抗原に感作されてIgG産生を拘束されるようになったIgG記憶B細胞が関与し、歯周炎局所で口腔内細菌由来のPBA作用によりT細胞及びマクロファージ非依存性に増殖分化する可能性を示唆する結果を報告した。今回はさらに、歯周炎病巣に活性化されたT細胞も存在するという我々の研究報告をふまえPBAのT細胞による調節の有無について、マウスの系で検討を行った。その結果、IgGの産生はT細胞依存性に増強され、マイトゲン活性化T細胞上清でもこの増強効果が認められた。さらに、老齢マウスの場合に、T細胞依存性IgG産生の増強効果が著明であった。このことは加齢に伴いB細胞もしくはT細胞に免疫学的機能変化が生じ、たとえT細胞非依存性のPBAでもT細胞の共存下でB系細胞に影響を及ぼしIgG産生が優位となることを示唆し、歯周病変がこの様な機構で形成される可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] J.Periodont.Res.19巻-12号. (1984)

  • [文献書誌] 炎症. 4巻-4号. (1984)

  • [文献書誌] The 6th Intern Conference on Periodontal Research. (1984)

  • [文献書誌] Third Gordon Confernce on Periodontal Diseases. (1985)

  • [文献書誌] 第27,28,29回春季日本歯周病学会 講演集. (1984 1985 1986)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi