研究課題/領域番号 |
59460044
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
服部 勇 福井大, 教育学部, 助教授 (60020111)
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研究分担者 |
中島 正志 福井大学, 教育学部, 助教授 (70093440)
三浦 静 福井大学, 教育学部, 教授 (90020073)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | カルセドニー / 放散虫 / 環太平洋造山帯 / テレイン / プロベナンス / 美濃帯 / 日本列島 |
研究概要 |
本研究経費を用いて得られた成果は、既に、4回の学会発表と5編の論文発表として公表してある。また現在2編の論文が印刷中あるいは投稿中となっている。以下に、これらの概要を述べる。 1.福井県真名川上流において、中期ジュラ紀放散虫が見つかった。また同時に、三畳紀赤色チャートの分布も確認された。この事実は、美濃帯と飛騨帯との間に広大な海域があった事を示す。 2.美濃帯北部を占める南条山地において、複数の地点から伸長性正のカルセドニーが見つかった。この発見は本邦初である。そのため、詳細な記載がなされた。 3.南条山地の粗粒砂岩部に礫岩層が挟在していることが判明した。この礫岩層は南条山地全域に散在しており、本来は同一層準であったと思われる。このの礫岩層は手取層群中の同時代礫岩とは供給地を異にする。 4.冠山礫岩中のチャートクラストは多量の伸長性正のカルセドニーを含んでいる。この種のチャートクラストを含む礫岩は本邦の他地域からは報告されていない。詳細な岩石記載に基いて、これらのチャートクラストの起源が考察された。 5.伸長性正のカルセドニーの持つ地質学的重要性を強調し、諸外国からの報告を参考にして、本邦の中・古生代地史が復原された。 6.南条山地の北西端から、超丹波帯に特徴的な二畳紀放散虫を含む砕屑岩が見つかった。放散虫の種構成から、この砕屑岩は、超丹波帯と美濃帯の中間的環境に堆積したと予想された。 7.本邦中の伸長性正のカルセドニーの分布を明かにし、環太平洋造山帯におけるテレインプロベナンスの復原法と関連づけて議論した
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