研究課題/領域番号 |
59460077
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松尾 哲夫 熊本大学, 工学部, 教授 (00028979)
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研究分担者 |
塚本 公秀 鹿児島工業高等専門学校, 助手 (30155337)
上田 昇 熊本大学, 工学部, 助教授 (10040437)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 研削砥石 / 被削性 / 超硬単刃工具 / CBN切削工具 / ダイヤモンド切削工具 / 工具摩耗 / 切削抵抗 / 振動解析 |
研究概要 |
砥石の被削性に関する本研究は砥石製造(形成焼結)後の歪除去作業及び研削作業後の形崩れ矯正作業の高能率化の基礎研究として行われたもので、超硬合金、焼結CBN及び焼結ダイヤモンド工具など最新の超硬質切削工具を用いたWAビトリファイド砥石(円筒状)の一連の外周旋削実験によって砥石の切削成形がどの程度可能であるかを追求するとともに、適正な切削加工条件について明らかにしたものである。研究内容としては切削抵抗、工具摩耗、加工面粗さ等、および振動解析が主なもので、他に切りくず生成状態の観察なども行われた。このような特性が、切削工具の材質・形状、被削砥石の結合度、切削加工条件(切削速度、切込み、送り等)によりどう変化するかを調べている。得られた結果は次のようである。 (1)超硬工具の場合は全般的に摩耗が大きいが、KOI工具は比較的耐摩耗性が大きく、特に切削速度を低くすることによって切削成形の可能性がある。 (2)工具摩耗は切削速度の上昇に伴い約50m/minから急激に増大する。工具摩耗を低く抑えるためには工具すくい角を負にとることが望ましい。 (3)切削速度の上昇につれ切削抵抗は高くなるが、比エネルギーは通常わずかながら低下する。 (4)CBN工具では工具摩耗は少ないが、微細なチッピングが生じ易い。このチッピング発生を抑制するためには、大きな負のすくい角にすることが望ましい。またダイヤモンド工具ではノーズ半径の大きい丸こまバイトの使用が決定的に有効である。 (5)FFT装置による切削工具の振動解析の結果、砥石切削に特徴的な振動は検知できないが、極低速切削時の塊状切りくず生成に一致する低周波成分が認められた。 (6)切りくずは一般に塊状であり切込み、速度の増加につれ小さくなる。 (7)砥石の静的せん断・圧壊試験結果と切削試験結果とは比較的よく一致する。
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