研究分担者 |
菅原 文子 湘北短期大学, 生活科学科, 講師
佐々木 昭彦 国立公衆衛生院, 生理衛生学部, 研究員 (70150175)
小峯 裕己 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 主任研究官 (20114481)
池田 耕一 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 主任研究官 (90100057)
吉沢 晋 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 部長 (20077176)
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研究概要 |
必要換気量決定のための室内空気環境指標につき、内外の資料の整理を行いつつ、実測,実験を通して検討を行った。主要な研究成果は以下の通り。 1.事務所ビル実測調査より:各階ユニット方式の空調システムを有するビルにおける一人当りの外気導入量(OA量)の変化と各種空気汚染質濃度との関係を分析した結果得られた知見は、(1)C【O_2】はつねに安定したOA量の指標である。(2)CO,N【O_x】の指標性は低い。(3)浮遊粉じんは大部分喫煙に由来し、C【O_2】同様の指標性を有するときもあるが、在室者の喫煙行動に左右されるため、安定性に欠ける欠点がある。(4)微生物粒子を含む大型粒子はOA量に殆んど関係しない。(5)臭気は低濃度時の評定が困難で、室内汚染が著しくなった場合にのみ指標性を有する。等々である。 2.住宅実測調査より:戸建ておよびRC集合住宅(実験住宅を含む)における調査より得られた知見は、(1)C【O_2】は開放型燃焼器具の有無にかかわらず、最適の指標である。(2)CO,N【O_x】は燃焼器具の使用時には指標としてよりも有毒汚染物として取扱われるべきである。(3)HCHOは新建材・新器物の場合に、ラドンガスはRC造,気密室の場合に指標性を有するが、測定法上の制約で一般性に欠ける。(4)住宅では一般に内部が開放的であるため室用途別のOA量や指標を決定することは困難である。等々である。 3.室内汚染発生量実験調査から得られた知見は、(1)喫煙のみによる室内汚染の指標としては、浮遊粉じん,CO,N【O_x】のいずれでもよい。(2)灯油燃焼器具よりの排ガス成分のうち全炭化水素濃度は臭気濃度を忠実に反映するので、有力な指標となし得る。等々である。 最終的に、C【O_2】はつねに最適の空気環境指標であること、在室者の呼気以外の汚染源があり、それぞれに固有の汚染質が定常かつ高濃度の場合のみ副次指標となしうることが結論づけられた。
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