研究課題/領域番号 |
59460187
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 浩二 京大, 農学部, 教授 (30026504)
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研究分担者 |
藤田 稔 京都大学, 農学部, 助手 (60026599)
佐伯 浩 京都大学, 農学部, 助教授 (40026498)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 広葉樹材 / 構造的指標 / 不繊維 / 横断面寸法 / 細胞壁率 / 繊維長 / フィブリル傾角 / 材質評価 |
研究概要 |
本研究は繊維組織の特徴から広葉樹材の材質分類を行うことを指向した。繊維は広葉樹材の基礎組織であり、広葉樹材の材質は繊維組織の組織・構造上の特徴に強く依存すると考えられる。繊維の組織・構造的特徴の指標として、繊維の直径、壁厚、繊維壁率、繊維長、フィブリル傾角をとりあげ、その測定法、変動性を研究した。これらの指標は材質評価・分類に用いられる。 1)繊維の横断面寸法の測定には、20μm厚さの横断面切片をヘマトキシリン・サフラニン2重染色して用いた。顕微鏡条件を定め、CCDカメラを通して顕微鏡像を画像解析装置(PIAS-Iおよび【II】)に入力し、二値化した繊維内こう像について計測した。 2)繊維内こうのフェレ径(放射方向、接線方向)、内こう面積、同面積率から、壁厚、放射径、接線径を推定することができた。この方法を数種の広葉樹(典型的な樹種)に適用し、その変動性を調べた。これらを繊維の横断面の形態を示す指標値とすることができる。 3)内こう面積率から繊維の細胞壁率(繊維壁率)を算出し、その変動性を上記樹種で調べた。細胞壁率は材の密度と関連する指標であり、壁率による繊維組織の階級区分が考えられる。これは針葉樹材の早材・晩材の区分とも共通する階級・区分となる。 4)繊維長は解繊試料を投影器で測定した。繊維長は髄からの年数とともに増大し、15〜20年後は変化の少ない成熟材となる。成熟材の繊維長は重要な指標となる。また、別にパルプ繊維長の評価方法を検討した。 5)繊維壁の【S_2】層のフィブリル傾角は走査電子顕微鏡像で測定した。フィプリル傾角は髄からの年数とともに減少し、繊維長と同様に15〜20年以後に安定する傾向を示した。しかし、変動は針葉樹材に比べて小さく、材質区分では比較的均質とすることができる。
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