研究課題/領域番号 |
59460188
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前田 隆 北海道大学, 農学部, 教授 (80001402)
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研究分担者 |
藤原 幸彦 北海道大学, 農学部, 助手 (20141038)
矢沢 正士 北海道大学, 農学部, 助手 (30001473)
相馬 尅之 北海道大学, 農学部, 助教授 (00110635)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 凍上 / 凍結融解 / 火山灰土 / 粗粒火山灰 / 凍上抑制材 / 熱的性質 / 土の構造 / 不凍水 |
研究概要 |
本研究は火山灰土の凍上性の解明、粗粒火山灰を道路などの凍上抑制材として用いる場合の適性判定法の確立を目的に行ったものである。また凍結融解による火山灰土の物理的、工学的性質の変化についても明らかにした。 本研究で得られた成果を以下に要約する。 1.火山灰土の凍上性について 火山灰土は非火山灰土に比べて凍上性は概して大きいが、凍結に際して水分補給が不十分な場合や乾燥履歴を有する場合には、凍上性が著しく減少する。供試体の乾燥密度が大きい場合や供試体の状態で凍結履歴を受けた場合には逆に凍上性が増大する。これらは凍結面における熱的平衡状態の達成を支配する水・熱移動の状況を解析することによって明らかにされた。 2.凍結融解による火山灰土の物理的、工学的性質の変化について 火山灰土は保水性が高いために、水の熱伝導率の影響を受けて、その熱伝導率は一般に非火山灰土よりも小さいが、凍結により熱伝導率は著しく増大する。これは火山灰土が多量に保持する水分が凍結により、熱伝導率の大きな氷に相変化するためである。凍結融解による土粒子の再配列は粗間隙の増加による土の収縮量の減少をもたらし、また火山灰土の場合、高含水比状態では強度も増加する傾向がみられる。有機質火山灰土は火山灰質粘性土に比べて、凍結融解土の圧縮に対する抵抗性が大きい。 3.粗粒火山灰の凍上性と凍上抑制材としての適性判定について 粗粒火山灰の凍上性は風化度によって異なり、未風化の粗粒火山灰はほとんど凍上しないが、風化の進んだものは(細粒)火山灰土に匹敵する凍上性を示す。また未風化の粗粒火山灰は凍結融解による支持力(CBR値)の低下も小さく、凍上抑制材としての適性判定ができるが、その場合の抑制効果は置換厚に大きく依存する。
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