研究課題/領域番号 |
59470089
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 雅英 京都大学, 工学部, 教授 (40025961)
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研究分担者 |
大岡 正孝 京都大学, 工学部, 教務職員 (10160425)
伊藤 紳三郎 京都大学, 工学部, 助手 (50127049)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 光電導性高分子 / キャリヤ-生成機構 / 励起エネルギ-移動 / キャリヤ-移動度 / エキシマ-形成サイト / ラジカルイオン移動法 / 電荷共鳴帯測定法 / 分子内DA化合物 |
研究概要 |
本研究は、新しい光・電気特性を有する高分子を分子設計すること、及び得られた高分子の光・電気特性解析を行なうことを目的とし、主に光電導性高分子を中心に研究を進めた。主な成果は次の3項目である。 1.キャリヤ-生成機構の解明 (1)高分子膜中における励起エネルギ-移動と援和:エキシマ-形成サイトは励起エネルギ-のトラップとなること、及びキャリヤ-のトラップともなることを明らかにした。エキシマ-形成サイトを持たないポリマ-を探索はた結果、ポリ[(9ーカルバゾリル)エチルメタクリレ-ト]がエキシマ-形成サイトをもたないポリマ-であることを見出した。そしてこのポリマ-膜が優れたエネルギ-移動媒体であることが明らかにした。(2)高分子固体中における光インオン化:高分子膜中に分散された芳香族分子の光イオン化について、1分子的2光子進程と2分子的1光子過程による場合を検討した。前者についてはポリメタクリル酸メチルが放出電子を捕捉する能力をもち、良好なポリマ-媒体であることを見出した。後者については電子ドナ-とアクセプタ-を結合した分子内DA化合物が適当なド-パントであることを明らかにした。2.キャリヤ-移動機構の解明 エキシマ-形成サイトの有無と、時間飛行法で測定したキャリヤ-移動度との関係から、エキシマ-形成サイトがキャリヤ-トラップとなることを明らかにした。またエキシマ-形成を抑制した系を構築することにより、10^<ー5> cm^2V^<ー1>s^<ー1>程度の高いキャリヤ-移動度をもつ系を分子設計できた。3.光電子移動により生成するイオンラジカルの安定性評価 光電子移動により生成するイオンラジカルの安定性を定量的に評価する方法として、新しく「ラジカルイオン移動法」と「電荷共鳴帯測定法」を提案し、これらの方法を用いて種々の高分子鎖中にの生成するラジカルイオンの安定性を評価して、高分子側鎖芳香族基イオンの特性を明らかにした。
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