研究課題/領域番号 |
59470129
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 旺 名大, 理学部, 教授 (50022504)
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研究分担者 |
羽渕 弘子 名古屋大学, 理学部, 助手 (70109263)
辻 正博 名古屋大学, 理学部, 助手 (80022739)
木全 弘治 名古屋大学, 理学部, 助手 (10022641)
中西 康夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (40022636)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 / 軟骨細胞 / 細胞外マトリックス / 真皮 / フィブロネクチン |
研究概要 |
1.未分化間充織細胞が合成分泌するプロテオグリカン(PG-Mと命名)を分離精製し、軟骨型プロテオグリカン(PG-H)よりも分子量が大きく極めて長い低硫酸化型コンドロイチン鎖を含む特徴ある分子であることを明らかにした。そのコア蛋白質は明らかに特異的遺伝子の産物であることを示す個性的なペプチド地図を与えた。これは間充織細胞が軟骨細胞へ分化するに当って、プロテオグリカン分子種の変化,ひいては細胞マトリックスの構造的変換を伴うことを示す事実であり、長年にわたる発生学上の論争に結着をつける発見ということができよう。 2.PG-Mはフィブロネクチン分子と強い親和力の下に結合することを明らかにした。一方、PG-Mはヒアルロン酸とも特異的会合体をつくる。これらの発見は以前から報告されていたフィブロネクチンとヒアルロン酸との会合反応が直接的なものではなく、PG-M分子を介して行われることを示している。PG-MはI型コラーゲンとも相互作用する点からみて、未分化間充織の細胞外マトリックスの構築に中心的な役割を果す分子であるとみなされる。 3.ラット胎児の真皮では細胞外マトリックスにデルマタン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸プロテオグリカンが存在すること,後者は前者に比べて代謝回転が早く、新生児皮膚ではその相対量が大きく減少する事実を見いだした。 4.先天性プロテオグリカン欠損マウス(cmd/cmd)の軟骨細胞が培養条件下につくるマトリックスは単にプロテオグリカンのみでなくII型コラーゲンも異常に少いことを明らかにし、この異常は培地に正常軟骨から分離したプロテオグリカンを添加することによって補正(正常化)できることを示した。
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