昨年から引き続き、サフォーク種雌子めん羊17頭を用いて、12か月間にわたる飼養試験を行った。飼養試験はPhase1とPhase2よりなり、それぞれ6か月間とした。Phase1においては、めん羊を二つのGroupに分け、Group1は標準レベルのタンパク質とエネルギーの正常飼料、Group2は低タンパク質、低エネルギーの低栄養飼料を給与した。Phase2においては、両Group共に正常飼料を給与し、各Groupの半数は妊娠、分娩をさせ、残りの半数には種付けを行わなかった。 Phase1において低栄養飼料給与Groupは、正常飼料Groupよりも有意に増体が低下した。Phase2において両区共に正常飼料が給与されると、Phase1において低栄養飼料を給与されたGroupは、正常飼料Groupより大きい増体を示したが、試験終了時においても、両Group間にはなお有意な差が認められた。Phase2において妊娠、分娩を行ったものは、正常Group、低栄養Groupのいずれにおいても、増体の抑制が認められた。 体重以外の各体尺測定値の成長量に関しても、体重とほぼ同様な影響が認められた。 骨のX線像およびミクロデンシトメーター法により骨成長を調べた結果、脛骨長、脛骨幅、脛骨皮質幅、骨量については、体重や体尺測定値と同様な変化を示した。ただ骨密度はPhase1においては、時間の経過と共に増加したが、その後は一定の傾向を示さなかった。またPhase1では低栄養Groupが正常Groupよりも骨密度が高い傾向を示した。さらに両Group共妊娠、分娩による骨密度への影響は認められなかった。 血清中ミネラル濃度は、各Group共試験期間中正常値を保った。骨由来の血清中アルカリ性フォスファターゼ活性は、両Group共に妊娠、分娩によって低下する傾向がみられた。
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