研究課題/領域番号 |
59480112
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村上 悳 山口大, 医学部, 教授 (90040518)
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研究分担者 |
渡辺 達生 山口大学, 医学部, 助手 (60182929)
坂田 義行 山口大学, 医学部, 助手 (10034927)
森本 昭生 山口大学, 医学部, 講師 (70127794)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 脳薄切標本 / 内因性発熱物質 / プロスタグランディン / 視束前野 / 温度受容細胞 / 視床中継核ニューロン / 2相性発熱 / [【^(14)C】]デオキシグルコース法 |
研究概要 |
発熱反応を理解するには、生物における防衛反応の視点が必要となってきた。そしてこの問題に対し温熱生理学的側面からアプローチを行わんものと、3つの異ったレベルの実験方法によって検討し、解析を加えた。 1.脳薄切標本(スライス)によるin vitro実験系 内因性発熱物質(EP)やfinal mediatorと目されているプロスタグランディン(PG)は視束前野の温度受容細胞に対し、特異的にその活動を変動させた。PGの働きは【lo^(2+)】Ca【hi^(2+)】Mg灌流液によるシナプス遮断によっても変らなかった。また視束前野以外では、視床下部腹内側核細胞が、PGに対し高い感受性を呈した。 2.麻酔下の急性実験 ラットのウレタン軽麻酔下に静脈内に投与したEP並びにPGは視束前野の温度受容細胞の活動を変動させるが、その変動は必ずしも両物質で同じでない。ラットの全身を加温すると、視床中継核ニューロンは反応するが、その反応のパターンにより2種類に分類される。いずれも視束前野の温度変動によってその活動は修飾される。なおこのニューロン活動に影響を与える神経部位として、中脳縫線核ならびに青斑核がある。ついで全身冷却刺激により視床中継核ニューロンは、同様な反応を呈した。 3.無麻酔漫性実験 通常ラットは発熱しないが、脱水によって発熱するようになり、これはEP産生能の増強によることが分かった。ついで予め内毒素で感作しておいたラットの血液から、in vitroの系でEPを産生させた。このEPはラットのみならず家兎においても発熱を呈したが、同一体重当りのEPを静脈内に投与する時は、家兎の発熱が大きかった。家兎EPでも同様なことがみられた。[【^(14)C】]deaxyglucoseを発熱時のラットに投与し、発熱に伴う代謝亢進を示す脳部位を検したが、後部視床下部,視床背内側核,外側視束前野で代謝が亢進した。ついで家兎に出現する1相性ならびに2相性発熱の発現機序を明らかにした。
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