研究課題/領域番号 |
59480113
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
清原 寿一 佐賀医大, 医学部, 助教授 (50071874)
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研究分担者 |
古賀 壽男 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30153513)
山崎 まり 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80174647)
中島 敏博 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30128136)
柴田 政章 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00128133)
堀 哲郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (00022814)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 視床下部 / 温度感受性ニューロン / 体温調節 / 浸透圧感受性 / 血圧感受性 / 体液浸透圧調節 / 水分調節 / 機能連関 |
研究概要 |
視床下部を中心として調節されている調節系には、生体のおかれた状況によっては、連関・干渉といった現象が発生する。本研究は、体温調節と体液浸透圧調節との中枢神経系における連関機序を解析することを目的として、ラットを用いて研究を行い、下記のような知見を得た。 1.体温調節の中心である視束前野温度感受性ニューロンは、正常浸透圧の±5%以内の小さな局所の浸透圧変化にも直接反応する。また末梢浸透圧受容器からの入力も存在する。局所及び末梢浸透圧の上昇は、温ニューロン活動を抑制するものが多く、脱水時にみられる熱放散反応の抑制という干渉現象の少なくとも一部は、この温ニューロン活動の反応から説明できる。 2.浸透圧調節因子の一つ、血圧/容積変化に対しても、視束前野温度感受性ニューロンは非温度ニューロンに比べてその反応性は有意に高く、また除神経実験より、末梢の圧/容積受容器からの入力の存在を示した。 3.血圧下降時には温ニューロン活動は増加し、冷ニューロン活動は抑制されるものが多く、それぞれ、対暑反応の増加と対寒反応の減少がひき起こされ、体温下降が予想される。事実、出血性低血圧時には体温下降及びふるえの抑制がみられ、急性出血ショック時には、圧/容積受容器入力が視床下部温度ニューロン活動を変化させ中枢性に体温を下げ、組織を低代謝状態にして、出血時の低血流に適応しようとする戦略が働いていると想像される。 4.水分調節物質であるアンギオテンシン【II】及びバゾプレッシンによっても温度ニューロン活動は強く影響され、体温下降を惹起する。 5.視束前野温度ニューロンは体温調節行動のみならず、飲水行動やさらに摂食,毛づくろいなどの行動、あるいは情動刺激に対しても非常によく反応して、単に体温調節のみならず、他の調節系との連関,干渉にも大きな役割を果たしていると想像される。
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