研究概要 |
1.マウス腹腔浸出細胞を長期培養し、NK細胞活性を有し大型顆粒性リンパ球よりなるIL-2依存性細胞株を樹立し、さらに限界希釈法によりいくつかのNK細胞クローンを得た。 2.NK活性を有するIL-2依存性リンパ球クローンの1つをPMAで刺激培養することにより、血液細胞分化因子,IL-2,インターロイキン3の産出がみとめられた。 3.NK細胞クローンの持続的増殖にはIL-2は必要であるが十分ではなく、マクロファージの共存が高親和性IL-2レセプターを誘導維持するために必要であることが示された。マクロファージは腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対する障害活性を増強し、正常骨髄細胞や胸腺細胞に対する障害作用を抑制する調節作用をもつことが示された。 4.NK細胞クローンのT細胞レセプターα,β,γ鎖遺伝子はDNAの再構成が起こっており、α,β,γ鎖mRNAも発現していた。NK細胞クローンの標的細胞レパートリーとβ鎖遺伝子の再構成パターンの間に一定の関係はみられず、細胞障害活性はT細胞レセプターに直接依存するものではないことが示唆された。 5.末梢血リンパ球のNK細胞活性のIL-2,IFNα,IFNγによる活性増強を検討し、シェーグレン症候群患者ではIFNαによるNK細胞活性増強はみとめられなかった。 6.血管内皮細胞をIFNγで刺激培養することにより、表面HLA-DR抗原の発現を誘導でき、Leu-【3^+】T細胞が選択的に接着するようになった。
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