研究分担者 |
園田 徹 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70187897)
沖島 寳洋 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80136811)
先成 英一 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60117439)
松岡 裕二 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10094103)
大堂 庄三 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90041409)
|
研究概要 |
1981年9月1日から1987年1月31日までに受診した先天性心疾患患者のうち、完全に情報を得ることができた症例は1607例(男子:787例,女子820例)である。これらの症例のうちの22例(1.4%)が遺伝性疾患,97例(6.0%)が染色体異常,3例(0.2%)が胎内環境の異常によるもの,8例(0.5%)が成因不明の既知の症候群,残りの1477例(91.9%)が成因不明群であった。成因が明らかなもののうち最も多かった染色体異常では、ダウン症候群が81例(染色体異常83.5%)をしめた。そのほかでは、18トリソミーの5例,ターナー症候群の3例,猫なき症候群と9P-症候群,48,XXX,+18症例の各2例が主なものであった。これらのうちの48,XXX+18の2症例はわが国での第1例と第2例とであった。1235症例の集計の時点では、129症例(10.4%)が精神遅滞を伴っており、それらの成因分析も併せて行った。成因不明の精神遅滞はチアノーゼ性心奇形に有意に多かった。 実験的研究では、bis-diamineを妊娠ラットに投与し、異常鎖骨下動脈起始の形態発生を観察した。異常右鎖骨下動脈起始では右第4大動脈弓動脈の血流がまず遮断され、血流は右第3大動脈弓動脈を介して右背側大動脈に流れた。やがて右背側大動脈の第3〜7区分に退縮する。第8区分は存続し、右鎖骨下動脈の近位部を形成した。遠位部は右第7節間動脈から構成される。第8区分は頭側に移動し、左側大動脈弓の第4番めの枝となった。異常左鎖骨下動脈起始は左側大動脈弓の場合の鏡像関係を示した。これらの所見は二重大動脈弓を用いて従来から述べられている発生の仮説を実証する知見と考えられた。
|