研究課題/領域番号 |
59480254
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 徳島大学 (1985-1986) 大阪大学 (1984) |
研究代表者 |
島 健二 徳島大, 医学部, 教授 (90028407)
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研究分担者 |
清水 一郎 徳島大学, 医学部, 助手 (10178965)
弘田 明成 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (20173289)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 上部小腸切除ラット / 肝灌流 / 消化管ホルモン / cAMP / Phosphorylase / 初代培養肝細胞 / Enteroinsular axis;Glucagon-like peptide 1 |
研究概要 |
消化管の糖代謝に及ぼす影響を、消化管の肝への直接作用(1)及び膵内分泌機能を介する間接的作用(2)に分け検討した。 1.(1)上部小腸切除ラットの耐糖能及びインスリン感受性:Treitz靭帯より約40cm上部小腸を切除したラットを完全静脈栄養で7日間飼育した後、腹腔内ブドウ糖負荷試験を行い、血糖、IRI変動を正常及び切除ラットのそれと比較した。切除群では血糖、IRI反応はいずれの群と比較しても有意に高値であった。 (2)ラット肝よりのブドウ糖放出に及ぼす消化管抽出物の影響:正常ラット肝及び小腸切除完全静脈栄養飼育ラット肝を灌流し、インスリン、グルカゴン、腸管抽出物に対するブドウ糖、cAMP反応を検討した。腸切除ラット肝のグルカゴンに対する反応性は正常ラット肝と差がなかったが、インスリンによるブドウ糖放出の被抑制能は低下していた。腸管抽出物を添加した場合、無添加の際と糖放出量、グルカゴン、インスリン濃度に差を認めなかったが、cAMPは有意に上昇した。 (3)消化管ホルモンの肝細胞における糖代謝に及ぼす効果:初代培養肝細胞に種々の消化管ホルモンを作用させ、cAMP産生、phosphorylase活性及びブドウ糖放出の変化について検索した。消化管ホルモンの種類により、上記3パラメーターに及ぼす効果は異なった。GRFはそれ自身cAMP産生を高めるが、グルカゴンの有するブドウ糖放出能を抑制した。ソマトスタチンにはそのような作用は認められなかった。 2.Enteroinsular axisの新たな作動物質及び生体内存在意義について:ブドウ糖経口負荷にて血中glucagon-like peptide 1(GLP-1)濃度は上昇し、且つ、本物質がインスリン分泌能を有することを明らかにした。E-1 axisは膵A細胞にも作動することをOGTT後のアルギニン負荷試験で血中glucagon上昇が増大することより明らかにした。
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