研究課題/領域番号 |
59480283
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岩佐 善二 近大, 医学部, 助教授 (20111031)
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研究分担者 |
安富 正幸 近畿大学, 医学部, 教授 (60028438)
中村 哲彦 近畿大学, 医学部, 助手 (00159071)
奥野 清隆 近畿大学, 医学部, 講師 (30169239)
NAKAMURA Tetsuhiko Kinki University
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 受動免疫療法 / 癌転移 / Interleukin 2(IL-2) / Lymphokine-activated killer(LAK)細胞 |
研究概要 |
脾細胞をinterleukin 2(IL-2)とともに培養して得た抗腫瘍エフェクター、Lymphokine-activated killer(LAK)細胞がin vitroでの抗腫瘍活性のみならず転移巣が存在する坦癌マウスに生体内移入することによって転移巣を抑制し生存日数を延長させうることを報告した。 さらに胃癌患者から得た脾細胞からもinterleukin 2(IL-2)存在下で臨床病期にかかわらず非癌患者の脾細胞と同様か、それ以上の活性を有するLAK細胞を誘導できることも確認した。すなわち脾臓内でのLAK前駆細胞は坦癌末期まで温存されている可能性が高くこのエフェクターの臨床応用も充分可能を考えられた。そこで臨床応用をめざして抗腫瘍活性を高め、さらに大量のエフェクターを得るための条件も検討し、その結果、抗腫瘍活性を低下させずに細胞数を約十倍に増加させることが可能であることがわかった。 さらにその応用例として切除不能肝癌患者の脾細胞からLAK細胞を誘導し、これを肝動脈内カテーテルより移入して一過性ではあるが血中α-fetoprotein値の著明な低下を認め、抗腫瘍効果が認められた例も報告した。 このようなエフェクターをin vitroで誘導するのではなくもっと効率的に担癌生体内で誘導させようと考えてマウスのモデルでIL-2の脾内注入を行ない、通常の静脈内投与や腹腔内投与よりも有効であることも確認した。現在さらにその臨床応用として消化器癌根治手術時に脾動脈注を行ないここからIL-2を持続投与して効率よく生体内でLAK細胞を誘導する方法を検討中である。
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