研究課題/領域番号 |
59520006
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
石尾 芳久 関西大, 法学部, 教授 (20067416)
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研究分担者 |
永田 眞三郎 関西大学, 法学部, 教授 (90067710)
市原 靖久 関西大学, 法学部, 助教授 (60140240)
園田 寿 関西大学, 法学部, 助教授 (50148491)
市川 訓敏 関西大学, 法学部, 助教授 (20098099)
岡 徹 関西大学, 法学部, 教授 (10103384)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 明治期法律学 / ボアソナード / 司法省 / 井上操 / フランス法系 / ドイツ法系 / 関西の法学者 |
研究概要 |
われわれは、従来、明治期の法律学に関する研究が少ないという点に着目し、「明治期法学史の基礎的研究」に着手した。 当初は、未発見史料を発掘することに重点を置き調査を進めるうち、初年度において、ボアソナードが大阪で行なった演説を『大阪公論』(明治22年5月3日)に見出した。そこには「諸君の教師は大概予が門人なれば予は諸君の父の父則ち祖父に該る者」との文言があり、関西にも彼の子あるいは孫と称すべき多くの法律家が存在していたことが明らかとなった。そこで、われわれは、ボアソナード並びに彼の系譜にある関西の法律家たちの中の重要人物について研究を進める方向を固めた。 彼らのうち最も著作が多く、司法省法学校出身で、東京大学教授・大阪控訴院部長となった井上操(嘉永元年9月生,明治38年2月没)をまず研究対象とすることとし、彼の御遺族を松代に訪ね、自筆ノートを発見するに至った(このノートに言及した研究は見当らない)。このノートは、民法,行政法,検察官制度に関するボアソナードの講義に依拠したものであることはほぼ明らかであり、極めて貴重なものであると確信するものである。そこでさらに、彼のその他の著作である『大日本帝国憲法述義』・『刑法述義』について研究を進めるうちに、彼の業績には看過し得ざるものがあるとの認識に達した。さらに、その他のボアソナードの門人についても研究範囲を広げるうちに、わが国の法律学の発展にとって、フランス法系の諸学者の功績についてより一層の研究を深めるべきであるとの結論に致達した。 われわれは、以上の経過に鑑み、今後ともフランス法系の諸学者たちの業績をより深く研究し、従来ともすればドイツ法系の学者に重きを置きがちであった研究姿勢が是正される方向で、新たな発見をすべく努力していく所存である。
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