研究概要 |
電気的融合法に適し、かつ再生能力の高いプロトプラストを得るためには、菌体をSO培地で3-5日間本培養したものを用い、加水分解はセルラーゼ,ザイモリアーゼ,キチナーゼが各々2%、0.6%、6unitsの酵素溶液で30°C、3時間行う条件が最適であった。この時の収量は【10^6】/ml以上であり、再生率も平均で約20%であった。この様なプロトプラストの微細構造を調べたところ、プロトプラストの中に細胞礎質が密でかつ2核のものが再生率が高いことも明らかになった。また融合条件は0.5Mマニトール溶液に0.5mM塩化マグネシウムと0.1mM塩化カルシウムを添加し、パルス幅40μsec、パルス電圧4KV/cmで行うと約60%の融合率が得られた。但し、電解質の添加による高周波の誘引効果の低下、高周波電圧を高くすることによる再生への影響など、今後検討の余地がある。融合物選抜法として、アイソザイム分析を検討したところ、エステラーゼとマレートデヒドロゲナーゼにおいて特異的なアイソザイムパターンが得られ、有効な選抜指標となり得ることが明らかになった。尚、この他に栄養要求性などのマーカーの開発を検討中である。今回の試験期間中で新しい融合物を得ることはできなかったが、現在選抜試験を継続中である。
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