前年度に引き続いて次の作業を行った。 1.59年度から60年度にかけて公表された新たなデータ、および.59年度予算では処理できなかった昭和30年代のデータなどをデータベースに追加する作業(磁気テープの穿穴作業)。 2.学校基本調査、就業構造基本調査、賃金構造基本調査、家計調査のそれぞれについて、時系列分析が容易になるように編集する作業。 3.編集されたデータフアイルを用いての教育システムの動態分析。 4.教育システムと経済システムとの相互関連を示す構造図の仮説的作成および諸指標の開発のための準備作業。 以上の4点を中心に作業が進められたが、次年度に残された課題としては次の点を挙げることができる。まず1については、毎年新たなデータを追加していくには経費と手間が必要だが、その方法を検討すること。2については、本研究では最も労力を用する作業であり、今年度も精力的に行われたが、次年度に持越された部分も多い。ともあれ、時系列分析を行うには、表の形式を整えることが不可欠なので、次年度もかなりの作業が必要と考えられる。3については、テーマを決めて研究分担者毎に分析が進められているが、たとえば潮木は教員需給の将来予測を行い、矢野は教育の収益率の時系列分析を行い、藤田は産業構造の動態分析を手がけている。4については、研究分担者毎に指標開発が進められ、情報の交換および今後の課題の検討が行われている。以上のように、作業は現在も進行中であり、今回の科学研究費の最終年度である61年度には一応のまとめを行い、更にデータベース公開の方法などについても検討する予定である。
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