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1985 年度 実績報告書

低エネルギー陽電子蓄積リングの試作とその実用化

研究課題

研究課題/領域番号 59840007
研究機関東京農工大学

研究代表者

蟻川 逹男  東京農工大学, 工, 教授 (90011543)

キーワード陽電子スペクトロスコピー / 低エネルギー陽電子蓄積 / 陽電子衝突実験 / 電子対消滅 / ポジトロニウム
研究概要

本研究は物性物理の研究、特に表面物性の有力な研究手段として、新しい陽電子スペクトロスコピーの開発を目的として行なわれている。本年度も昨年度に継き続き、そのために必要な低エネルギー陽電子の蓄積リングの試作を行ない、電子をテスト粒子として装置の性能試験を行なってきた。蓄積リングの原理は、2次元分析器の中では最も明るいβ線分析器であるSOS(Spiral Orfit Spectrometerの略)の原理と基本的には同じもので、装置の中心に置かれた陽電子源より2π方向に放出されたエネルギーの等しい陽電子を、全部渦状軌道に沿って収束円軌道上に集めようとするものである。両者の相違点は、SOSが分析器であるため収束軌道上におけるエネルギー分散が大きければ大きい程よいのに対し、蓄積を目的とした本装置の場合には、エネルギー分散を小にして収束軌道上でのアクセプタンスを出来るだけ大きくするように磁場の形状を工夫することである。検討の結果,ベクトルポテンシャルが集束円軌道の近傍で概ね平滑で僅かの凹部をもてば、通常の加速器のように、径方向(γ方向)にも軸方向(z方向)にも安定性をもたせることができ、アクセプタンスを大きくできることがわかった。この事実は計算機実験と電子ビームによる模擬実験によって確められた。また、このような任意の形状のベクトルポテンシャルは、3対の空芯コイルの励磁電流をマイクロコンピュータで制御することによって実現されるが、この自動電流制御システムはほゞ完成し順調に作動している。現在エミッタンスとアクセプタンスのマッチングを行なって収束円軌道に効率よくビームを蓄積するための捕獲機構を調べている。それには時間的に変化する電場か磁場を用いるが、実験の容易さを考慮して、時間的に変化する電場による捕獲を行なっている。一たんトラップされれば残留気体と衝突して軌道をはずれるまで蓄積される筈であるが、地磁気が微妙に影響する事がわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mass Spectroscopy. 33-2. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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