研究課題
昭和61年度は、昭和59,60年度に得られた研究成果に基づき、計画調書に記載した研究を遂行した。本年度に得られた成果は以下の通りである。1)ミリ波・サブミリ波帯での検波実験本年度は、発振器とミキサーを一体化した実験を行った。ミリ波・サブミリ波の信号源としては、本研究で開発した分布定教型発振器を使用した。発振出力を効率良くミキサに導入する為の新しい整合法として、超伝導薄膜をロンドン侵入距離よりも薄くして漏れ磁界を利用する方法を採用し、100〜500GHzの周波数帯で1μW程度の出力を得ることに成功した。この結果を1次元の伝送線モデルで解析したところ、実験と理論の良い一致が得られた。以上のことより、検波実験と同時に、新しい整合回路の有効性を実証することができた。2)システムの多チャンネル化の検討本研究により、ほぼ集積化受信機の構成が明らかとなり、単一の受信機の可能性が実証されたので、それをもとに多チャンネル化のための設計を行った。今後、電波天文、ミリ波センシング、プラズマ診断等の具体的応用に応じた設計を行うことが課題となる。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)