研究概要 |
単結晶および零熱膨張係数ガラスセラミックスなどのニューセラミックスは、今後の超精密加工の対象として極めて有望な材料であるが、従来は材料の機械的性質から加工により割れや欠けが生じ易く、高精度な加工は研磨に頼っていた。本研究は、将来必要とされるサブミクロンの加工精度と精密研磨と同等な鏡面を得ることができる超精密平面研削盤を開発し、併せてこの研削盤に適用できる気温,水温,油温の制御法およびダイヤモンド研削砥石を開発するものである。研究実績を列記すると以下のようである。 1. 零熱膨張係数ガラスセラミックス製砥石軸の設計・製作 2. 零熱膨張係数ガラスセラミックスの鋳造法の開発 3. 零熱膨張係数ガラスセラミックスの被研削性・被研磨性の検討 4. 低熱膨張・高剛性・高回転精度の静圧油軸受の開発 5. 0.1μm単位の数値制御微小切込装置の開発 6. 真空式工作物取付法の開発 7. ロータリーテーブル立軸超精密平面研削盤の設計・製作 8. 公差±0.5℃の研磨室温制御システムの設計・設置 9. 公差±0.01℃の研削液温制御システムの設計・設置 10. 機上でのダイヤモンド砥石の精密ドレッシング法の検討 11. 新型ダイヤモンド砥石の開発 12. 超精密平面研削盤の運動精度と熱変位の測定 13. 本研削盤によるMn-Znフェライト単結晶試料の研削 以上の研究によりMn-Znフェライト単結晶を平面度0.08μm、表面粗さ0.015μm Rzに仕上げることができた。今後、新しいダイヤモンド砥石の開発およびドレッシングを含む研削条件の最適化を図ることにより、サブミクロンの寸法精度で表面粗さ0.01μm Rmax以下の鏡面が本研削盤で得られると測想される。
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