研究概要 |
高温系における研究に一部先行して、常温におけるモデル炉を対象として非定常噴流時の流動伝熱の研究を実施し、併せて高温実験を行なった。 1.常温におけるモデル炉に関連した研究 (1).流動伝熱の解析 前年度の定常流の研究を発展させ、非定常時の流動伝熱の解析を行ない、衝突噴流の流動開始時からの流動状態の変化ならびに局所熱伝達係数とスラブ内温度変化の経時変化を求める解析コードを開発し、次項の実験結果と比較検討した。 (2).流動伝熱実験 スラブ表面を加熱(熱流束一定)し、スラブ中心上部から衝突噴流をあて、噴流レイノルズ数、スラブと炉壁間距離等を変えて流れの可視化と同時に発熱体温度分布から局所熱伝達係数を求め、解析結果と検討比較し、両者はよい対応を示した。 2.高温加熱スラブに関連した研究 (1)加熱および温度平担化実験 熱電対を埋め込んだモデルスラブ(40×200×400【mm^2】,SUS310)を900〜1000℃の所定温度に加熱する加熱炉とふく射によって放冷する放冷部、温度平担化のための再加熱炉の実験装置を設計・試作してデータの収積を行なった。ビデオによる記録,温度測定結果等により明らかになった事項としては ア.加熱炉ではスラブ温度は平均値の±20℃内に収まること。イ.スラブ端部温度の急速な低下はふく射放冷とスラブ内熱伝導の2次元解析でほぼ予見できること。ウ.再加熱炉内での温度回復は端部で顕著であり、ふく射変換体の効果が有効に作用していること。等があげられる。 (2)理論解析 ふく射伝熱を考慮した解析はその輸送特性が2次元で大きな記憶容量が必要であるため、現在収束解を得るまでには至っていないが、モデルの改良等を通じて解析コードの整備を行なっている。
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