研究課題
試験研究
本研究は、連続鋳造スラブの直接圧延における新しいエッジヒーターとして、多孔性個体によるガス顕熱-ふく射エネルギー効果的変換法を応用する方法を提案し、その基礎的な伝熱特性を実験的・理論的に明らかにすることを目的として行った。本研究で対象とする伝熱系は、非定常の伝導・対流・ふく射が連成し複雑を極めている。そこで本現象解明のための第一段階として、まず対流熱伝達の効果に重点を置いた基礎研究に着手し、層流の場合に対して数値解析した流れ場の結果を用いて、対流と連成したスラブ内の非定常熱伝導現象を明らかにした。一方、実用時に重要となる乱流の場合の伝熱特性に対しては、常温での実験を行い、諸条件を系統的に変化させた場合のデーターを集積した。高温での均熱化実験は、実操業装置の約1/5スケールのモデルエッジヒーターを試作して行った。実際の連鋳一直接圧延工程を実験においてシミュレートするため、均一に予熱したスラブを開放空間でふく射により冷却した後、エッジヒーターに挿入する方法を採用した。スラブ内温度の非定常測定から、ふく射変換体によりエッジが局所的に加熱され効果的な均熱化が図られることが確認された。また、エッジヒーターの全体的なエネルギーバランスも評価され、実験ではエッジヒーターから外部に流出させていた有効エネルギーを回収し再循環させることによって、外部からのエネルギー投入を最小限に抑制した均熱化も可能であることを示した。これらに加え、エッジヒーターならびに多孔性固体のふく射変換体の現場への導入に実績のある大同特殊綱(株)の金藤(研究分担者)を中心にフィールドテストも行い、本エッジヒーター実用化への可能性を多角的に検討した。
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