研究課題/領域番号 |
59850041
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
荒木 嘉昭 九工大, 工学部, 助教授 (40039045)
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研究分担者 |
陣内 靖介 九州工業大学, 工学部, 教授 (10039092)
中塚 茂 チッソ株式会社, 技術本部, 主席企画員
大石 成夫 チッソ株式会社, 専務取締役
井上 順吉 九州工業大学, 学長 (40038998)
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キーワード | 太陽エネルギ / 再生エネルギ / 波浪エネルギ / 波浪エネルギ変換装置 / 不平衡ロータ / 不平衡ロータの引き込み現象 |
研究概要 |
本研究は、自然界のクリーンエネルギの有効利用の一端としての、波浪発電の、全く新しいエネルギ変換装置の基礎開発研究を目的としている。本エネルギ変換方式は洋上浮体の波浪による揺動を、フラ・フープの回転と同様の原理の、不平衡ロータの引き込み現象を応用して発電機を備えたロータ系の回転運動エネルギに変換する方式である。 この方式の変換装置の基本特性を求めるため、大形の不平衡ロータを搭載した洋上浮体の振動特性、電力負荷とロータの位相特性を、非線形振動理論の平均法を用いた理論解析によって求め、理論的なエネルギ変換量を求める。力学モデルは船体を1自由度振動系に、波浪は一定の振幅、周期の正弦波と仮定している。また、振動台上で動作する実験室規模のモデルプラントによる実験、さらには数値解析も行って以下の結果を得ている。 1。不平衡ロータの船体振動に対する相対位相遅れは軸出力の増加とともに増大し、出力がある値、最大軸出力点に達するロータは同期から逸脱して回転を停止する。このときの最大位相遅れは理論では80゜、実験では約60゜となっている。 2。変換可能な最大エネルギ量は、不平衡ロータの不平衡モーメントおよび波高に比例する。また、波浪の周期が船体共振に近いと大幅に増大する。船体の振幅や位相角は入力波浪が一定の場合でも発電出力に影響を受ける。 3。本変換装置には重力が作用して回転に大きな変動が生じる。しかし、それ自体がエネルギ変換特性に大きくは影響せず、その平均値で考慮すればよい。とはいえ、安定な同期回転のためにも、回転系の慣性モーメントの増量によって回転変動を小さく抑える方がよい。 4。振動台上の室内小形モデルプラントの実験では、最大効率45%が得られた。
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