LSI設計の能率向上を目的として、そのツールとしてのレイアウト設計ステーションを開発した。このシステムは内部に近傍演算を並列で高速に実行できるハードウェアを持ち、デザインルールチェックなどの処理を高速に実行する機能を有する。低レベルの処理が自動化され、設計者の直観を生かせる対話性を持つ半自動設計ステーションとなっている。以下に述べる成果を得ている。 1. ハードウェア 128ケのプロセッサエレメントにより大容量半導体メモリ上のビットマップデータを2次元的に並列処理するシステムを完成した。このシステムで、2次元並列処理に適した方法によりメモリアクセスを能率よく行なうスイッチングネットワーク(2次元バレルシフタ)をカスタムLSIで実現した。プロセッサエレメント部、メモリ部、表示・描画部、アドレス計算部、およびマイクロプログラム制御部を組み立て、所期の性能を満たしていることを確認した。 3. ソフトウェア デザインルールチェックなどのマイクロプログラムを作成し、実際にレイアウト設計ステーションとして作動することを確認した。このほか、エッジ描出のような画像処理のプログラムやセルオートマトンのシミュレータとしてのプログラムなどを作成し、各種2次元並列処理に本システムが有効であることを明らかにした。
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