昭和59年度に試作した実験機を大幅に改良した。波高の均一化をはかるため網下に20枚のガイドベーンを設置し、床網も抵抗の少ないバースクリーン型に代えた。また、給炭部および硬抜部にはスターホイールを採用し、給炭量および硬抜量の安定化とその調節を容易にした。その結果、実験の再現性と能率が大きく改善され、信頼性のあるデータを得ることができるようになった。 この実験装置を用いて3種類の比重の異なる直径6mmの樹脂球の試料で選別実験を行ない、選別に最適といわれる台形波状の脈動の効果について調べた。また、与えられた脈動からベッドの時々刻々の空隙率を算出し、ジグ内の選別の経過を予知する数学モデルの提案も行なった。その結果、次のような結論を得た。 (1)現用の実機の正弦波に近い脈動を与えた場合に比し、台形波状の脈動を与えた場合はかなりの選別成績の向上が期待できる。本研究の実験では同じ分離精度であれば、台形波脈動を与えた場合処理量が5割程度向上する。 (2)台形波脈動が優れている原因はベッド下面に発生する大きなほぐれがより早く生じ、浮遊時間も長いため、より上方まで大きくほぐれることによる。この効果はベッド厚を適度にとった場合より顕著である。 (3)本研究の数学モデルは実験結果を良く説明できる。ほぐれが大きい場合に処理量をやや過大に評価する傾向があるが、ジグ選別過程の予知にかなり役立つものと思われる。
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