研究分担者 |
小久保 靖 日本電子株式会社, 技術部, 主任研究員
市野瀬 英喜 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30159842)
森 実 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30134646)
七尾 進 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60013231)
尾上 守夫 東京大学, 生産技術研究所, 名誉教授 (70013076)
YASUSHI KOKUBO Japan Electron Optics Laboratory LTD
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研究概要 |
本研究は透過型電子顕微鏡が本来もっている材料内部組織の3次元解析能力をコンピュター・トモグラフィの技法を応用することにより透過電子顕微鏡の基本的解析手法の1つとして実用化することを目的としている。厚い試料の透過観察をその特徴とする超高圧電子顕微鏡に本研究費で購入した画像処理・計算システムを組み合せ、この解析に適した3次元像解析プログラムを作成した。試料としては(1)アルミニウムマトリックス中に球状のβ錫粒子が分散している3次元解析が有意義なAl-Sn液相急冷合金,(2)転位網目を内部に持っていて問題なドープ処理したGap単結晶,(3)ヘリウムイオン照射や水素チャージで導入された欠陥組織が問題なステンレス鋼、および(4)トリチウム透過電顕オートラジオグラフィ試料において上にかぶせた乳剤膜中の銀粒子と薄膜試料中の欠陥との位置関係の解析を行なった。あとの2件はいずれも核融合炉壁材の開発と関連した基礎研究である。いずれも同一視野に関し複数個の写真をサイドエントリ型ゴニオメーターにより試料を±60度傾けて撮影しこれをデイジタイザーで読みとり解析するというオフライン方式による成果である。画計の後段に予定していたオンライン処理は当初予定していた超高電圧電子顕微鏡側の整備上の問題があってまだ続行中である本解析の基礎となる研究として(1)結晶方位関係の解析法,(2)弱ビーム共通回折法による組織解析法,(3)弱ビーム像,格子像,チャンネリングパターンなどの画像処理法等も研究した。弱ビーム像は微細組織を高いコントラストで示せるので3次元解析に適している。とくに回転軸を回折ベクトルと平行にして行う方式は界面微細構造のα像解析と条件が合致し有利なので、この技法を用いた研究を多数行った。別刷にある弱ビーム解析の多くはこれである。これら成果のうち未発表のものはできるだけ早い機会に論文化し学会誌等に公表する予定である。
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