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1985 年度 実績報告書

キャリヤー輸送による気体分離膜に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 59850136
研究機関長崎大学

研究代表者

鹿川 修一  長崎大学, 工, 教授 (80037746)

キーワードキャリヤー輸送 / 膜 / 分離 / 収着 / 透過 / 酸素錯体 / カルボニル錯体
研究概要

高選択透過性キャリヤー輸送膜の開発を目指して、前年度に引き続き種々の液体高分子-金属塩系のキャリヤー輸送能、気体運搬機構、液体膜の固定化について検討し、以下の成果を得た。
1.高分子液体膜中の気体のキャリヤー輸送 テトラエチレンペンタミン(tetren)系液膜については新たにRu(【III】),Rh(【III】),Pd(【II】),Pt(【II】)添加系における【O_2】の収着および輸送特性の測定を行い、Ru(【III】),Rh(【III】),Pd(【II】)の場合に錯形成に基づく【O_2】収着が生じることを見出した。しかし、これらの系において【O_2】の促進輸送は認められず、有効なキャリヤーとなるには中心金属イオンが気体分子と適度な錯形成能を持つことが必要であることが示唆された。また、tetrenに比べて酸化を受け難い構造のポリアミン型液体高分子としてピリジル基を有する新しい配位子1,11-ビス(2′-ピリジル)-2,6,10-トリアザ-6-メチル-1,11-ウンデカジエン(L)を合成した。Lの液膜についてはCo(【II】),Ni(【II】),Cu(【I】)添加系の測定を終え、Cu(【I】),Ni(【II】)の場合に【O_2】選択透過性の向上を認めた。
2.気体運搬機構の解明 Ni(【II】)-Lについては電子スペクトルにより、またCu(【I】)-L系についてはESRにより【O_2】の可逆的錯形成を認め、Cu(【I】)の場合にはCu(【I】)【→!←】Cu(【II】)の酸化還元を伴うことを明らかにした。
3.液体膜の固定化 tetren溶液の膜は蒸発による膜厚変化が著しいので、tetren/PEG混合溶液として多孔質膜へ含浸担持させることを試みた。しかし、そのCu(【I】)添加系は【O_2】促進輸送能を喪失し、Ni(【II】)添加系でわずかに認められる程度であった。Cu(【I】)添加系でCO促進輸送能は維持されることから、【O_2】との錯形成で生じるCu(【II】)とセルロースとの相互作用により【O_2】促進輸送能が喪失すると推定した。一方、Lの場合は多孔質膜への含浸により比較的安定な膜が得られた。
以上、【O_2】,COについてキャリヤー輸送膜の手掛りを得た。次年度はオレフィンについても検討を開始する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] エネルギー・資源. 6-3. (1985)

  • [文献書誌] 第34回高分子学会年次大会予稿集. 34-3. (1985)

  • [文献書誌] 第22回化学関連支部合同九州大会予稿集. 22-B21. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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