本年度は初年度に引き続き、石炭・水スラリーの物性ならびに(ガス/水・石炭)型スラリーの調製条件について実験的検討を行い、次のような成果を得、その一部を整理し学会発表(予定を含む)ならびに論文として公表した。 (1)石炭・水スラリーの調製条件。高濃度石炭・水スラリーの分散剤(界面活性剤)ならびに凝集剤の濃度の流動特性(主して見掛け粘度)に対する依存性をレオロジー方程式を用いて定量的に表現した。 (2)石炭・水スラリーの安定性。スラリーの安定性を調べることを目的として、細管より生ずるスラリー滴の発生静電気を測定することにより、界面活性剤および凝集剤の濃度が石炭粒子間の分散性および凝集性に与える影響について、2.3の知見を得た。 (3)ガスを内包した高濃度石炭・水スラリーの性質。3相系(ガス、石炭および水系)スラリーの調製条件を検討した。すなわち、見掛け粘度、温度変化に伴う体積変化および静置安定性を測定し、対応する高濃度石炭・水スラリーの性質と比較し、本3相スラリーが安定性を制御できるスラリーとして工業的に有効な技術であることを見い出した。 (4)ガスを内包した高濃度石炭・水スラリーの超音波物性。3相系スラリー中の気泡の超音波吸収能を検討した結果、超音波が3相スラリーの気泡の存在状態を検出することに有用であることを明らかにした。
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