研究分担者 |
船山 斉 秋田工業高等専門学校, 工業化学科, 助手 (70042322)
光行 陽一郎 東芝電材株式会社, 配電制御機器事業部, 主査
松永 利昭 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (40006309)
MITSUYUKI Yoichiro Chief Investigator, Toshiba Electric Equipment Corp.
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研究概要 |
超純水の循環利用プロセス開発を最終目標とした紫外線照射併用オゾン処理による水中の難分解性有機物分解プロセス開発を試みた。ここで、洗浄水を再生純水として循環利用するためには第3物質の添加を避ける必要があることに留意し、分解速度促進のために遠紫外線も利用し、また難分解性有機物として洗浄に多量に用いられるメタノールを第1の対象物とした。併せて不均一系光反応器内絶対光強度分布及び接触角測定による固体表面の汚れ評価の検討も行った。プロセス開発において、光源は254nmを主発光スペクトルとし、さらに185nm光も発する低圧水銀灯、反応器は185nm光を透過する合成石英管を内管(外径33.0mm),パイレックス管を外管(内径89.2mm)とする内部照射型環状装置であり、下部より気泡を吹き込む方法である。 まず、オゾンの自己熱分解及び自己光分解を調べ、紫外線照射により速度が100倍以上に加速されることを確めた。つぎに、流通系によりメタノール低分解率領域での分解率に及ぼすオゾン及び酸素分圧,紫外線波長分布及び強度,液滞留時間の影響を調べた。さらに半回分操作により、メタノールの高分解率領域における分解特性を調べた。その結果オゾン,紫外線併用効果が顕著であることを認めた。40Wランプ使用の場合、液温25℃,メタノール初濃度1.24×【1.0^(-2)】mol/l,オゾン入口濃度4.92×【10^(-4)】mol/l(酸素ガス流量4l/min)の条件下で4.5時間以内でメタノールを炭酸ガス,水にまで完全分解できた。また、本酸化分解に関わる不均一反応が反応律速であること、またその反応がメタノール濃度に0.5次、反応中間体であるギ酸に対してメタノールが阻害効果を持つことなどを考慮した反応速度式を用いて高分解率までの反応特性をほぼ良くシミュレートすることができた。今後、実際の操業条件下で得られると推定されるモデル排水の処理を行い、TOC分解特性を詳細に検討する計画である。
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