研究概要 |
農村集落排水に適合した汚水処理施設の改良、とくに省エネ的で高率の脱窒処理法の開発改良を目的として、まず第一に滋賀県下4ヶ所の集落排水処理施設において、流水汚水の汚濁負荷とその特質を明らかにし、第二に長時間曝気法の実施設において回分式の間欠曝気運転を行い、窒素除去性能の実証試験を行った。その結果は以下のとおり。 1.流入汚水の汚濁負荷とその特質 (1)流入汚水量は平均で166l/人・日から232l/人・日まで、地区によって変動が大きいが、いずれにしても計画日平均汚水量270l/人・日をかなり下回っていた。 (2)汚濁負荷量はBODが29〜40g/人・日,CODが22g/人・日,SSが28〜33g/人・日,T-Nが7.5g/人・日,T-Pが0.9g/人・日程度とかなり一定した値が得られており、しかも計画単位汚濁負荷量の1/2〜2/3程度の値であった。 2.回分式間欠曝気法の実証実験 (1)本施設は計画汚水量56.7【m^3】/日,1日3サイクルで運転されているが、通常は50〜60%の流入量しかないので、1〜2サイクルが休止することになるが、処理水質には影響はなかった。 (2)しかしながら降雨があると計画汚水量を上回る流入量がみられ、未処理のまま放流されることになる。回分式の場合にはとくに雨水流入防止対策が必要である。 (3)15分曝気、45分非曝気で、MLSSが5000〜6000mg/l程度で運転したところ、水温が11℃にまで低下した冬期でも、放流水の窒素濃度4mg/l以下、窒素除去率80%以上の好結果が得られた。 (4)以上の研究結果から、集落排水のような小規模汚水処理の有機物並びに窒素除去法として、間欠曝気法が有効であり、また間欠曝気を行うので電気代を節約できる事が明らかになった。
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