研究課題/領域番号 |
59860024
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
佐藤 晃一 愛媛大, 農学部, 教授 (70033149)
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研究分担者 |
矢野 友久 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80032085)
小谷 佳人 鳥取大学, 農学部, 教授 (90032078)
三野 徹 岡山大学, 農学部, 教授 (10026453)
四方田 穆 岡山大学, 農学部, 教授 (60081527)
長 智男 九州大学, 農学部, 教授 (30032048)
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キーワード | 畑地かんがい / 用水量 / 蒸発散量 / ペンマン式 / 純放射量 / 蒸発散比 / 地域蒸発能 |
研究概要 |
今年度は3年計画の最終年度であるため、各研究者はそれぞれのテーマにおける継続分の完成と統一的に計測した地域別要因の把握,分析を行った。圃場実験の植栽には大豆が統一的に使用された。愛媛大学では、圃場における実蒸発散量(ETa)が計器蒸発量(Ep)、ペンマン式による蒸発散位(ETpen)と高い相関を有し、LAIが4以上では蒸発散比がほぼ1.0〜1.1の値となることを示した。またグロースキャビネット実験による土壌水分ストレスのETへの影響、ハウス試験による単体と群落のETが比較計測されたが、蒸発量とEpとの比は単体では1.0〜1.2に対し群落では平均0.6で1.0を超えないことが明らかとなった。九州大学では特にETの定量化手法に重点を置き、ETを植物からの蒸散量と土壌面蒸発量とに分離する方法をモデルを作成して検討した。そして有効土層のとり方によりETが精度よく推計できることを示した。また純放射量あるいは日射量等で蒸散抵抗の時間データを加重平均して日単位の蒸散抵抗を精度よく求められること、植被による純放射量等の減衰特性と植被下の土壌面蒸発量などを明らかにした。鳥取大学では砂丘地という特異な環境下ではあるがウエイイングライシナータによる実蒸発散量の詳細な研究を行い、作物別係数の測定、ETにおける移流の影響などにつき究明した。特に作物係数によって成育段階によるETaを精度よく推計できること、またデータには日平均より7日間程度の移動平均値の採用が良い精度を与えることを示した。岡山大学では圃場面の状態によるET変化,ETに関与する因子と構造分析,圃場計測と地域気象台データによるET推計法の確立が行われた。宮崎大学では特に、気象,土壌水分などの環境条件とETとの関係が究明された。これらの成果はそれぞれの論文として発表される予定である。
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