既存の収穫機構をむかごの収穫に適用した試作1号機の問題点から、特に駆動部分を極力少なくした構造の簡単な収穫機構の開発をめざし、バケット方式による収穫方法の可能性を基礎実験によって見出すべく、バケットを試作し土壌槽においてモデル実験を行った。 1)収穫精度は砂含水比に最も影響を受け、2%前後を変曲点として、急減しはじめ、2.8%ではまったく収穫されない。 2)バケット方式で強制振動を与えない場合は作用深の含水比2%以下の圃場条件下で行う必要がある。 試作1号機の試運転およびその後のバケット式収穫モデル実験を通じて、耕うん機アタッチメント形式の試作2号機を設計・試作した。試作1号機の反省から試作2号機は、まず機構を極力簡単に、駆動部分を少なく、かつ廉価で製作可能なことという最も基本に戻った。そして現地栽培圃場での試運転および収穫精度の測定を実施し、実用化への検討を行った。 性能試験の結果、地面の凹凸、枯葉および砂含水比が大きく収穫精度に影響するが、作用深2〜3cm、作業速度0.2m/sでほぼ80%以上の収穫精度を得ることができ、連続運転が可能で所期の目的を達した。 以上本研究の成果は、むかご以外の非常に球径の小さいグラジオラスなど花卉球根類の木子の収穫にも利用でき砂丘地農業の機械化、省力化に寄与できると考える。
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