研究課題/領域番号 |
59870001
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 和朗 京大, 医学部, 教授 (20077556)
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研究分担者 |
井上 貴央 鳥取大学, 医学部, 助教授 (20116312)
酒井 真弘 京都大学, 医学部, 助手 (40183363)
野田 亨 京都大学, 医学部, 助手 (50156204)
藤本 和 京都大学, 医学部, 講師 (50159125)
藤本 豊士 京都大学, 医学部, 助教授 (50115929)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | カソードルミネッセンス / 伊東細胞 / 副腎皮質束状帯 / 簡易凍結SEM法 / 3分割楕円ミラー / ビタミンA / カラー蛍光電子顕微鏡 |
研究概要 |
1.昭和59年度:高分解能走査型電子顕微鏡(DS130)に簡易型カソードルミネッセンス(CL)検出器を試作、装着した。各種蛍光物質、金属、生体試料等を広く検索して、CL発生物質を確認した。希土類金属やコレステロール、プレグネノロン等の生物試料はよくCLを発した。ラツト肝臓の伊東細胞、マウス副腎皮質、精巣ライディヒ細胞、ハーダー腺等の組織を、液化プロパン凍結器にて割断し、2次電子像と対比しながらCL像を観察した。その結果、細胞内各種顆粒からのCL発光が確認された。 2.昭和60年度:CL検出用楕円ミラーをDS130のbottom stageに装着して、CL検出効率を上げるとともに、-140°cまで冷却可能な試料台を製作した。凍結ミクロトームを使用することにより、簡易凍結SEM法を改良し、明瞭な2次電子像とCL像が、長時間にわたって観察可能となった。ラット副腎皮質束状帯細胞、及び伊東細胞からの、細胞内小器官レベルのCL像を得て、CL分光像とCLスペクトルの分折により、CL起因物質の同定が可能であることを証明した。 3.昭和61年度:3つの楕円ミラーをそれぞれ120度の角度で癒合させた、3分割楕円ミラーCL検出器をtop stageに装着、さらに液体窒素にて持続的に冷却可能な試料台を製作した。これらによってCLが、3原色別に検出、増幅された後、再び統合されて、カラーCL画像として表示可能になった。肝臓伊東細胞、及び副腎皮質束状帯細胞、ハーダー腺等から明瞭なカラーCL像が細胞内小器官レベルで得られた。さらに伊東細胞では、カラーCL像とスペクトル分析により、CL起因物質がビタミンAエステルであることが認められた。カラー蛍光電子顕微鏡が、細胞の構造と機能との関連を追求する上で、有用な手段足り得ることが証明された。
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