1.体容積計の身体 計測機器としてのシステム化:59年度において基本的に製作された体容積計を実際に身体検査の現場で使用出来るようにシステム化した。 (1)身体容積計の制御システムの確立:測定モードは自動計測と手動計測の2通りであるが、通常は自動計測モードによって簡単に計測出来る。すなわち、予め測定圧(0.8〜1.0kg/【cm^2】)を設定し、昇降圧スイッチを投入することにより自動的に加圧計測を行ない、加圧量(注水量)、容器内圧力、容器内温湿度、などの所用データを得ることが出来る。更に計測後の減圧もゲージ圧0kg/【cm^2】まで、減圧症予防のための一時停止を含めて全て自動的に制御される。 (2)データ入力の方法と精度 イ)流量(加減圧のための注排水量):アナログ流量計の指針を光学的にデジタル変換して100cc単位入力を基本とし、タイマーによる補正を行なう。精度は誤差範囲±35cc以内。ロ)圧力:GC-10のデジタルワセグメントにより入力。精度は誤差範囲±0.1%以内。ハ)温度、湿度:各センサーからの電気的信号をデジタル変換して入力。回路上の誤差としては±1デジット以内。 (3)データ処理のコンピューター化:計測データはその都度プリンターにアウトプットされるが同時にRS-232CによりPC9800のデータベースに保持され、随時必要に応じたデータ処理が行なえる。2.高精度体容積計の実用化:新たに作成した実用器による容積既知物体(水袋)の実測結果から実用化に向けて、次の点が指摘された。1.体容積の測定誤差を生む最も重要な要因は容器内の残気量であり、5001以内に抑えなくてはならない。2.流量計、測定圧、気圧のわずかな誤差が、計算される体容積に大きな誤差を生む。体容積から比重を算出する上で、流量計の精度の向上が大きな問題点として残された。
|