研究課題/領域番号 |
59870043
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市橋 秀仁 名大, 医学部, 助教授 (30023766)
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研究分担者 |
河合 義雄 呉羽化学工業株式会社, 東京研究所, 研究主幹
森 有一 東レ株式会社, 基礎研究所, 主任研究員 (10288003)
伊藤 要 名古屋工業大学, 教授 (50024196)
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キーワード | 人工膵臟 / 皮下型グルコースセンサ / グルコース制限透過膜 / 電子伝達メディエーター / ベンゾキノン |
研究概要 |
人工膵臟の開発の鍵を握るのは、長寿命で安定した測定が可能なグルコースセンサの開発にある。この目的のために従来の人工血管型グルコースセンサより皮下型グルコースセンサを開発した。本センサは、直径6mm、長さ30mmの棒状センサでグルコース電極と対照用酸素電極よりなる。Invitroにおいてはグルコースは直ちに反応するが、Invivoにおいてはグルコース投与対してセンサの反応はすぐ始まるが、採血による血糖的値とグルコースセンサの読み取り血糖値の間に約2分30秒の差があったが、採血々糖値とグルコースセンサの読み取り血糖値との相関係数は、r=0.961でよく相関した。 また、従来のセンサでは動物実験後まれにグルコース識別能力が劣化することがあったためグルコース透過制限膜の前面に一枚膜を装着することにより寿命の延長がはかれた。この結果37℃での連続使用においては、固定化酵素膜の前面に何も装着しないセンサでは、5日目付近から急激にその活性が低下したが、固定化酵素膜前面に透析膜を装着した場合約1ケ月間酵素の活性が維持された。次に人工膵臟用グルコースセンサを小型化するために、グルコースオキシダーゼとの電子伝達メディエーターとしてベンゾキノンを用いたセンサを試作した。本センサは、1組の電極系で測定可能であり、臨床的に利用し易い針状とすることができた。また原理的に酸素分圧に影響されにくいとう特徴を持っている。このセンサは、グルコース制限用の被覆膜を厚くするとセンサの応答速度が遅くなり、また、出力電流が小さくなって相対的に残余電流が大きくなった。さらに、0点の変動の影響が顕著になり、また種々の還元物資の妨害を受けた。
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