前年度に試作したトルクテスタを用いて試作アクチュエータのトルク特性を詳細に調べた。モータへの入力電圧と回転数をパラメータとして、入力電流、発生トルク、上昇温度等を測定した。この結果、試作したアクチュエータは所用の性能を発揮しうるものと確認された。 新しく考案した電圧可変型パルス幅変調方式(前年度研究実績報告書参照)でモータを駆動するため、上記トルクテストの結果をもとにモータの入力電圧を制御するための8ビットプログラマブル電源を試作した。この電源は±14V、7Aまでの電圧、電流を供給できる。この回路を制御するためのソフトウェアを新たに開発し、既に試作済みのモータ回転数制御用ソフトウェアと組み合わせて、モータ制御用サブプロセサシステムのプロトタイプソフトウェアとした。 既に開発中の最大ストローク15mmで1回拍出量60mlの得られるプッシャープレート型ポンプを試作したアクチュエータに取りつけ、補助心臓システムとして動作させるための16ビットメインプロセサシステム用ソフトウェアをC言語とアセンブリ言語で作成した。駆動モードは1)定ストローク、2)定拍動数、3)心電図同期および4)手動の4種とした。外部設定は、モードの他にポンプストローク、拍動数、収縮期対拍動周期比(%シストール)および心電図R波からの遅延時間とした。モータ制御用のフィードバック信号にはプッシャープレートの位置を用いることとし、ホール素子で測定した。これらの信号は、8個のアナログポートおよび4ビットディジタルポートから入力される。 ハードウェア、ソフトウェアともプロトタイプがほぼ完成したので、模擬循環回路を用いた評価実験で改良を行ない、動物実験による評価に進む予定である。
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