1.基本設計上、固体スイッチ素子マトリックスによる圧力信号の導出は、その測定精度に限界があることが明らかになった。そこで足圧分布測定装置としては感圧ゴムを用いることとし、これに対する基礎実験を行った。作成したセンサーは1cm×1cmの大きさを有し、圧力に対する出力は0-3kg/【cm^2】の圧に対しては直線性を示し、足圧分布計測の目的に十分用いられることが明らかになった。 2.この感圧ゴム製のセンサー素子を0.2cm間隔でしきつめ、24cm×40cmとした足圧分布計測装置を作成し、これをプロセッサーおよびマイクロコンピューターに接続し、実際に足圧を計測できる装置とした。(試作1号機) 演算のためのソフトを開発し、現在1秒間に8フレーム、最大30フレームの取り込みを可能にした。足圧分布の表示、区域を設定しての足圧の時間的変化の演算、などが可能である。 3.この試作1号機の信頼性の試験を行い、ほぼ理論値どおりの測定結果が得られたことから、現在正常人(種々の年令階層)および各種足変形疾患患者の静止立位時の足圧分布を計測している。 4.足部X線写真の計測プログラム(デジタイザー、マイクロコンピューターシステム用)を作成し、この計測結果と足圧分布計測との比較検討作業に着手した。 5.動的(歩行時)の足圧分布計測については、先に述べた静止立位での計測の結果の整理ができ次第開始する予定である。
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