研究課題/領域番号 |
59870065
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大橋 靖 新大, 歯学部, 教授 (30013874)
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研究分担者 |
磯野 信策 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (10168289)
渋谷 進 新潟大学, 歯学部, 助手 (30178925)
中野 久 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (60180329)
高桑 きよみ 新潟大学, 歯学部, 助手 (80154946)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 唇顎口蓋裂 / 鼻咽腔閉鎖機能 / 超音波検査法 / 鼻咽腔ファイバースコープ / 同時解析 |
研究概要 |
唇顎口蓋裂患者の鼻咽腔閉鎖機能不全の病態を明らかにする目的で、鼻咽腔ファイバースコープおよび超音波検査法を主体とした本機能の診断のシステム化を図った。本研究では、1.超音波検査法の適確な導入、2.両検査法の同時解析による鼻咽腔閉鎖機能の総合判定を主体に検策を進めた。 1.超音波検査法の適確な導入:従来より観察が困難とされていた咽頭側壁運動を捉えることができ、鼻咽腔閉鎖に関与する咽頭側壁の経時的且つ定量的な分析を行い得た。この際、常に一定の条件下での観察を可能とした頭部固定装置の開発は有用であり、検査システムの1つとしての超音波検査法の臨床検査への導入をより適確なものとした。 2.両検査法の同時解析による鼻咽腔閉鎖機能の総合判定:鼻咽腔ファイバースコープおよび超音波検査法の同時解析により、鼻咽腔運動の三次元的な分析が可能であった。正常者では軟口蓋運動と咽頭側壁運動が各機能時に常に一定した時間的調和を持って鼻咽腔閉鎖が達成された。一方鼻咽腔閉鎖機能不全を有する唇頭口蓋裂患者では、軟口蓋運動と咽頭側壁運動はそれぞれ運動機能低下が認められるだけでなく、正常人の如き時間的調和も一定ではなかった。また各機能でも運動が異なる事が多く、従来分析し得なかった鼻咽腔閉鎖機能不全の病態の程度を判定する事ができた。本機能は手術はもちろん、言語治療によっても変化を示し、治療法の選択あるいは手術の予後判定に際し総合判定は有用であった。 以上、この診断システムは、(1)、複雑な運動機構である鼻咽腔閉鎖機能を三次元的に分析可能で、しかも経時的な運動様式も解析できた。(2)、口蓋裂術後鼻咽腔閉鎖機能不全の病態につき定量的に分析し治療方針の選択に有用であった。(3)特に超音波検査法の応用は、人体に対する為害作用がほとんどなく小児に対しても可能であった。
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